ヴァイトラックビ、がん種・年齢問わずTRK融合遺伝子陽性のがんに対し持続的な効果を示す

文:がん+編集部

 がん種や年齢にかかわらず、TRK融合遺伝子陽性のがん患者さんに対し、ラロトレクチニブ(製品名:ヴァイトラックビ)を評価した4つの臨床試験の長期データ解析の結果、4年を超える持続的な効果が確認されました。

22.3か月の追跡調査、全奏効率は75%、奏効期間49.3か月を達成

 独バイエル社は5月19日、TRK融合陽性のがん患者さんに対しTRK阻害薬ラロトレクチニブを評価した臨床試験の解析結果を発表しました。今回発表された結果は、4つの臨床試験の長期データから、TRK融合遺伝子陽性で評価可能な成人および小児患者さん206人を解析したもの。がん種や年齢にかかわらず4年を超える持続的な効果が確認されました。

 追跡調査期間22.3か月(中央値)の全奏効率は75%、奏効期間49.3か月(中央値)を達成しました。がん種別の解析では、TRK融合肺がんおよびTRK融合原発性中枢神経系腫瘍患者さんで、迅速かつ持続的な奏効および高い病勢コントロール率を示しました。また、TRK融合遺伝子陽性の患者さんの大半が、過去の治療法と比較してラロトレクチニブの投与により臨床的に意義のある効果が得られました。安全性に関しては、有害事象の大部分はグレード1または2であり、安全性に関する新たなシグナルは確認されませんでした。

 MD Anderson Cancer Center の Investigational Cancer Therapeutics部David S. Hong教授は、次のように述べています。

 「腫瘍がNTRK遺伝子融合を有する成人および小児のがん患者さんにおいて、ラロトレクチニブが効果的な治療であることを支持するデータが蓄積されています。これらの結果は、がんの患者さんがドライバー遺伝子異常をより深く知り、遺伝子異常にあった治療を受けるため、NTRK1/2/3遺伝子を含めた堅牢で包括的ゲノム検査を実施する明確な根拠となります」