オプジーボ併用療法(+ヤーボイ/化学療法)、切除不能な進行・転移性の食道がんに対する治験で全生存期間を改善

文:がん+編集部

 切除不能な進行または転移性の食道扁平上皮がんに対し、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法と化学療法と比較したCheckMate-648試験の結果が発表。全生存期間を統計学的有意に改善しました。

PD-L1陽性患者さんの死亡リスク、「オプジーボ+化学療法」で46%/「オプジーボ+ヤーボイ」で36%低下

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は6月3日、切除不能な進行または転移性の食道扁平上皮がんに対し、2種類のニボルマブ併用療法を評価したCheckMate-648試験の結果を発表しました。

 CheckMate-648試験は、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法および「ニボルマブ+化学療法(フルオロウラシルおよびシスプラチン)」併用療法を、化学療法と比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は、2つの併用療法を化学療法と比較したPD-L1発現率1%以上の患者さん対象の全生存期間と無増悪生存期間です。副次的評価項目は、ITT集団に対する全生存期間と無増悪生存期間です。

 予め計画されていた中間解析の結果、PD-L1発現率1%以上のグループ、ITT集団ともに2つの併用療法は化学療法と比べて、統計学的有意にかつ臨床的に意義のある全生存期間の改善を示しました。

 安全性に関しては、他のがん腫でこれまでに報告されたものと一貫していました。グレード3~4の治療に関連する有害事象が、「ニボルマブ+化学療法」併用療法47%、「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法32%、化学療法の36%で発現。PD-L1発現率1%以上の患者さんの安全性プロファイルは、ITT集団のデータと一貫していました。

 ロイヤル・マーズデンNHS財団トラストの腫瘍内科コンサルタントであるIan Chau医師は、次のように述べています。

 「化学療法による治療の場合、進行食道扁平上皮がん患者さんの生存期間の中央値は10か月ほどであり、現在の標準治療を上回る治療選択肢が必要とされているのは明らかです。米国臨床腫瘍学会で発表されたデータでは、ニボルマブによる2種類の併用療法が、両方とも化学療法と比較して生存期間で有意な改善を示し、新たな治療選択肢となる可能性が示されました」

 主な解析結果は、以下の通りです。

「ニボルマブ+化学療法」併用療法

PD-L1陽性患者さんに対する全生存期間(中央値)
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:15.4か月
化学療法:9.1か月

ITT集団に対する全生存期間(中央値)
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:13.2か月
化学療法:10.7か月

PD-L1陽性患者さんに対する無増悪生存期間(中央値)
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:6.9か月
化学療法:4.4か月

PD-L1陽性患者さんに対する奏効期間(中央値)
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:8.4か月
化学療法:5.7か月

ITT集団に対する奏効期間(中央値)
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:8.2か月
化学療法:7.1か月

PD-L1陽性患者さんに対する奏効率
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:53%
化学療法:20%

ITT集団に対する奏効率
「ニボルマブ+化学療法」併用療法:47%
化学療法:27%

「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法

PD-L1陽性患者さんに対する全生存期間(中央値)
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:13.7か月
化学療法:9.1か月

ITT集団に対する全生存期間(中央値)
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:12.8か月
化学療法:10.7か月

PD-L1陽性患者さんに対する無増悪生存期間(中央値)
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:4.0か月
化学療法:4.4か月

PD-L1陽性患者さんに対する奏効期間(中央値)
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:11.8か月
化学療法:5.7か月

ITT集団に対する奏効期間(中央値)
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:11.1か月
化学療法:7.1か月

PD-L1陽性患者さんに対する奏効率
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:35%
化学療法:20%

ITT集団に対する奏効率
「ニボルマブ+イピリムマブ」併用療法:28%
化学療法:27%

※ITT(intention to treat)解析:臨床試験中に、治療から脱落した患者さんも含めて解析する方法。