イミフィンジ、同時化学放射線療法後の治療として全生存期間を顕著に延長

文:がん+編集部

 切除不能なステージ3の非小細胞肺がんで、同時化学放射線療法後にデュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)による治療を受けた患者さんの全生存期間の延長が認められました。

イミフィンジ治療を受けた患者さん、5年経過時点で33%が病勢進行せず

 アストラゼネカは6月11日、同時化学放射線療法後にがんが進行しなかった切除不能なステージ3の非小細胞肺がんに対し、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)とプラセボを比較したPACIFIC試験の長期データを発表しました。

 PACIFIC試験は、PD-L1の発現にかかわらず、白金製剤による同時化学放射線療法後に増悪が認められなかった切除不能なステージ3の非小細胞肺がん患者さん713人を対象に、デュルバルマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、と全生存期間、副次的評価項目は奏効率、奏効期間などでした。

 今回発表された最新の解析結果では、同時化学放射線療法後の5年生存率の推定値は、デュルバルマブ42.9%、プラセボ33.4%、全生存期間の中央値はそれぞれ、47.5か月と29.1か月でした。最長1年間の治療を受けた患者さんでは、試験開始から5年間がんが進行しなかった患者さんの割合は、デュルバルマブ33.1%、プラセボ19.0%でした。

 20%以上の患者さんで発現したデュルバルマブとプラセボの有害事象はそれぞれ、咳嗽(35.2%/25.2%)、倦怠感(24.0%/20.5%)、呼吸困難(22.3%/23.9%)および放射線肺臓炎(20.2%/15.8%)でした。グレード3または4の有害事象の発現率は、デュルバルマブ30.5%、プラセボ26.1%でした。また有害事象により治療を中止した割合は、デュルバルマブ15.4%、プラセボ9.8%でした。

 PACIFIC試験の治験医師であり、Sarah Cannon Research Instituteで最高科学責任者を務めるDavid Spigel医師は次のように述べています。

 「PACIFIC試験は切除不能なステージ3の非小細胞肺がんの患者さんの治療において、再び前例のない新たな結果を示しました。これまでこれら患者さんの5年生存割合はわずか15~30%となっていましたが、最新の試験結果から、イミフィンジによる治療を最長1 年間おこなうことで、推定43%の患者さんが5年を経過した時点においても生存していることが示されました。さらにはこれら患者さんの4分の3は病勢進行が認められず、これは、根治を目的とした切除不能なステージⅢの非小細胞肺がん治療における5年という節目の大きな成果であるといえます」