がん転移や抗がん剤の耐性メカニズム解明に有用な手法を確立

文:がん+編集部

 既存の手法を組み合わせ、がん転移や抗がん剤の耐性メカニズム解明に有用な手法が確立されました。

3次元かつ一定の解像度を保った状態で観察することが可能に

 東京大学は7月8日、既存の手法を組み合わせることで、マウス臓器内のがん転移を臓器のまま、3次元かつ一定の解像度を保った状態で観察できる手法を確立したと発表しました。同大大学院医学系研究科の宮園浩平教授らの研究グループによるものです。

 がんの基礎研究では、個々の細胞をそのまま観察できる組織を透明化する「イメージング」という技術が近年急速に発達しており、マウスのがん転移を早期から高解像度で観察することが可能となってきています。研究グループはこれまで、この技術をがん研究に応用し、がん転移そのものを捉えることに注力してきました。

 さらに今回、がん転移メカニズムをより詳細に解析するため、がん転移の特徴も同時に捉えることを目標に、既存の手法を組み合わせて3次元かつ一定の解像度を保った状態で観察できる手法を確立しました。

 この手法で観察したところ、転移先臓器の違いによりがん転移の形や大きさ、細胞周期パターンに違いがあるだけでなく、同一臓器内のがん転移巣の間でも、腫瘍の細胞周期パターンに違いがあることが示唆されました。この手法は、がん転移や抗がん剤の耐性メカニズムの解析に今後活用されることが期待されます。