キイトルーダ併用療法、再発・転移性トリプルネガティブ乳がんに対するKEYNOTE-355試験の最終解析を発表

文:がん+編集部

 化学療法歴のない切除不能な再発または転移性のトリプルネガティブ乳がん患者さんを対象に、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法」併用療法を評価したKEYNOTE-355試験で、全生存期間の延長が認められました。

「キイトルーダ+化学療法」、一次治療として全生存期間を統計学的に有意に改善

 米メルク社は7月27日、転移性トリプルネガティブ乳がん患者さんに対し「ペムブロリズマブ+化学療法」併用療法を評価したKEYNOTE-355試験の最終解析結果を発表しました。

 KEYNOTE-355試験は、進行した化学療法歴のない切除不能な局所再発または転移性のトリプルネガティブ乳がん患者さんを対象に、「ペムブロリズマブ+化学療法」と「プラセボ+化学療法」を比較した複数のパートで構成された第3相試験です。併用される化学療法薬は、ナブパクリタキセル、パクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンから医師が選択しました。主要評価項目はPD-L1陽性(CPS※1≧1およびCPS≧10)の患者さんとITT※2患者さんの無増悪生存期間と全生存期間でした。そのほかの評価項目は奏効率、奏効期間、病勢コントロール率、患者報告アウトカム、安全性などでした。

 最終解析の結果、PD-L1陽性(CPS≧10)の患者さんでは、「ペムブロリズマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比べて、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある全生存期間の改善が認められました。安全性に関しては、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 前回発表された中間解析でも、「ペムブロリズマブ+化学療法」は「プラセボ+化学療法」と比べて無増悪生存期間を改善したことが認められており、この試験の結果に基づき「ペムブロリズマブ+化学療法」は、PD-L1陽性の切除不能な局所再発または転移性のトリプルネガティブ乳がんの適応で、米国食品医薬品局から承認されています。

 同社の研究開発本部臨床研究担当バイスプレジデントであるVicki Goodman博士は、次のように述べています。

 「生存率が思わしくないトリプルネガティブ乳がんと闘う患者さんには生存期間を延長させる新たな治療選択肢が喫緊に必要とされています。今回の全生存期間の結果により、一部の転移性トリプルネガティブ乳がんの患者さんにとって、キイトルーダと化学療法との併用療法が重要な治療選択肢であることが確認されました。様々な治療背景および様々なステージのトリプルネガティブ乳がんにおいて、キイトルーダを主体とする革新的な治療法を評価する機会を与えてくださった患者さん、そして研究者の方々に感謝しています」

※1 CPS(combined positive score): PD-L1陽性細胞数を総腫瘍細胞数で割り、100を掛けた数値。
※2 ITT(intention to treat)解析:臨床試験中に、治療から脱落した患者さんも含めて解析する方法。