乳がん検診、乳房超音波検査の有効性を検証したランダム化比較試験の第2報が発表

文:がん+編集部

 乳房超音波検査による乳がん検診のランダム化比較試験の第2報が発表されました。乳房超音波検査は、マンモグラフィでがんを検出できない「偽陰性」を補う有力な検査法であることが示されました。

乳房超音波検査、マンモグラフィでがんを検出できない「偽陰性」を補う有力な検査法となる可能性

 東北大学は8月19日、乳房超音波検査による乳がん検診のランダム化比較試験の第2報を発表しました。同大大学院医学系研究科の大内 憲明客員教授らの研究グループによるものです。

 同研究は、科学的に最も質の高い研究デザインであるランダム化比較試験によるもので、日本全国から7万6,196人の女性の協力を得て行われました。超音波検査による乳がん検診に関する大規模なランダム化比較試験は世界初の研究で、マンモグラフィを受けたグループとマンモグラフィに超音波検査を加えたグループに無作為に分け、初回とその2年後に同じ検診を受けてもらうという試験です。

 研究に関する第1報は2016年1月にLancetに掲載されており、初回検診の「感度」「特異度」「がん発見率」が報告されました。マンモグラフィと超音波検査の両方を受けたグループと、マンモグラフィを受けたグループを比較した結果、それぞれ感度は91.1%/77.0%、特異度は87.7%/91.4%、がん発見率0.5%/0.32%でした。

 第2報では、「乳房濃度別の感度、特異度解析による超音波検査の評価」の結果が発表されました。解析の結果、マンモグラフィを受けたグループの感度は、高濃度乳房55%、非高濃度乳房70%、超音波検査を受けたグループの感度は、高濃度乳房66%、非高濃度乳房52%でした。両方の検査を受けたグループの感度は、高濃度乳房93%、非高濃度乳房93%という結果でした。このことから、乳房超音波検査は、マンモグラフィでがんを検出できない「偽陰性」を補う有力な検査法であることが示されました。

 今回の研究成果は、日本および世界で増え続ける乳がん対策の重要な礎となることが期待されます。