オプジーボ、再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫の小児に対する治療薬として国内承認

2021/10/26

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)が、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫の小児に対する治療薬として国内承認されました。

オプジーボ、小児ホジキンリンパ腫の新たな治療選択の1つとして期待

 小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブ社は9月27日、ニボルマブが、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する小児の用法および用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認されたことを発表しました。今回の承認は、医師主導のNCCH1606(PENGUIN)試験の結果に基づくものです。

 NCCH1606(PENGUIN)試験は、小児期およびAYA世代のがん患者さんのうち、標準的な2種類以上の化学療法後に抵抗性を示す難治悪性固形腫瘍とホジキンリンパ腫を対象に、ニボルマブの安全性、薬物動態、探索的な有効性の評価を目的とした第1相試験で、国立がん研究センター中央病院で実施されました。

 主要評価項目は用量制限毒性相当の有害事象の発現割合、副次的評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、奏効率などでした。

 解析の結果、88.5%に副作用が認められました。主な副作用は、リンパ球数減少53.8%、貧血46.2%、白血球数減少30.8%、血小板数減少30.8%、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加23.1%、好中球数減少23.1%、斑状丘疹状皮疹23.1%、発熱19.2%、低アルブミン血症19.2%、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加11.5%、そう痒症11.5%、蛋白尿11.5%でした。

 今回承認された小児への用法および用量は、「通常、小児にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注する。なお、体重40kg以上の小児には、ニボルマブ(遺伝子組換え)として1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注することもできる」です。

 小児のホジキンリンパ腫の初回治療は、化学療法が行われます。再発または治療抵抗性となった場合は、さらに化学療法やブレンツキジマブ ベドチン(製品名:アドセトリス)などによる治療が行われますが、予後が悪く新たな治療法が望まれていました。今回の承認により、ニボルマブが小児ホジキンリンパ腫の新たな治療選択の1つとなることが期待されます。