「イミフィンジ+化学療法」、進行胆道がんの一次治療として全生存期間を延長

2021/12/07

文:がん+編集部

 進行胆道がん患者さんの一次治療を対象としたTOPAZ-1試験で、「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+化学療法」併用療法は、全生存期間の有意な延長を示しました。

無増悪生存期間や奏効率も改善、有害事象による投与中止率もほぼ同等

 アストラゼネカは10月25日、切除不能な進行または転移性の胆道がんに対するTOPAZ-1試験の良好な結果を発表しました。

 TOPAZ-1試験は、肝内胆管がん、肝外胆管がんおよび胆嚢がん(乳頭部がんを除く)などの切除不能な進行または転移性胆道がん患者さん685人を対象とした第3相試験です。「デュルバルマブ+化学療法(ゲムシタビン+シスプラチン)」併用療法と「プラセボ+化学療法」を比較して、有効性や安全性が評価されました。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は無増悪生存期間、全奏効率、安全性などでした。

 事前に予定された中間解析の結果、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法は「プラセボ+化学療法」と比較して、全生存期間の延長を示し主要評価項目が達成されました。主要な副次的評価項目の無増悪生存期間や奏効率でも改善が認められました。「デュルバルマブ+化学療法」併用療法の安全性に関しては、「プラセボ+化学療法」の安全性プロファイルと一致しており、有害事象による投与中止率も「プラセボ+化学療法」と比較して増加は認められませんでした。

 ソウル国立大学病院の内科腫瘍専門医兼ソウル国立大学医学部の教授であり、第3相TOPAZ-1試験の治験責任医師でもあるDo-Youn Oh教授は次のように述べています。

 「進行胆道がんの一次治療は10年以上もの間大きな進展がなく、患者さんは、新たな治療薬を切望してきました。本試験は、進行胆道がんの一次治療で、免疫治療薬を標準化学療法に追加することで、意義のある生存期間の延長を示した初めての第Ⅲ相試験です。今回の素晴らしい結果は、BTC治療の大きな前進であり、患者さんに新たな希望をもたらすものです」