カルケンスを評価したASCEND試験の3年間の追跡データ、ASH年次総会で発表

2022/01/28

文:がん+編集部

 再発または難治性の慢性リンパ性白血病を対象に、アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)を評価したASCEND試験の3年間の追跡データが、米国血液学会(ASH)年次総会で発表。標準治療併用療法と比較して、無増悪生存期間の改善が認められました。

カルケンス、IdR療法/BR療法と比較して病勢進行または死亡リスクを71%低減

 アストラゼネカは2021年12月12日、ASCEND試験の3年間の良好な追跡データをASH年次総会で報告したことを発表しました。

 ASCEND試験は、再発または難治性慢性リンパ性白血病患者さん310人を対象に、アカラブルチニブ単剤療法を、「リツキシマブ+イデラリシブ(製品名:ザイデリグ)」併用療法(IdR療法)、または「リツキシマブ+ベンダムスチン(製品名:トレアキシン)」併用療法(BR療法)と比較した第3相試験です。主要評価項目は独立判定委員会による無増悪生存期間、副次的評価項目は治験担当医師による無増悪生存期間、全奏効率、奏効期間、全生存期間、患者報告アウトカム、次治療までの期間などでした。

 3年間の追跡解析では、アカラブルチニブは、IdR療法およびBR療法と比較して主要評価項目の無増悪生存期間を改善。病勢進行または死亡リスクを71%低減しました。安全性と忍容性に関しては、これまでに認められたものと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

 有害事象により治療中止に至ったのは、アカラブルチニブ21%、IdR療法65%、BR療法17%でした。アカラブルチニブとIdR療法/BR療法の臨床的に注目すべき有害事象は、心房細動/心房粗動(全グレード、それぞれ6%と3%)、高血圧(全グレード、それぞれ7%と4%)、大出血(全グレード、それぞれ3%)、感染症(グレード3以上、それぞれ25%と27%)、非黒色腫皮膚がんを除く二次原発悪性腫瘍(全グレード、それぞれ7%と3%)でした。グレードにかかわらず重篤な有害事象は、アカラブルチニブ38%、IdR療法63%、BR療法26%でした。