TS-1、乳がんの術後補助化学療法として国内申請

2022/03/07

文:がん+編集部

 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(製品名:ティーエスワン)が、乳がんの術後補助化学療法の適応で追加申請されました。

「TS-1+術後内分泌療法」、術後内分泌療法と比較して浸潤性病変の発生リスクを37%低減

 大鵬薬品工業は2022年2月14日、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウムが「乳がんにおける術後補助化学療法」の適応で、厚生労働省に対し追加申請を行ったことを発表しました。今回の申請は、POTENT試験の結果に基づくものです。

 POTENT試験は、ステージ1~3Bの浸潤性乳がん患者さん1,930人を対象に、「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム+術後内分泌療法」と術後内分泌療法を比較した医師主導の第3相試験です。再発リスクが、中~高度の患者さんが対象でした。

 主要評価項目 は浸潤性疾患のない生存期間、副次的評価項目は全生存期間、遠隔無病生存期間、無病生存期間、有害事象の発現頻度と程度などでした。

 52.2か月の追跡調査期間の結果、「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム+術後内分泌療法」は術後内分泌療法と比較して、浸潤性病変の発生リスクが37%低減され、臨床的に意義のある浸潤性疾患のない生存期間の延長が認められました。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

 同社は、次のように述べています。

 「乳がん患者さんに新たな治療選択肢をお届けできるよう、承認取得に向けて取り組んでまいります」