「サークリサ+Kd療法」、再発多発性骨髄腫に対するIKEMA試験で無増悪生存期間を顕著に延長
2022/06/16
文:がん+編集部
再発多発性骨髄腫に対し、「カルフィルゾミブ(製品名:カイプロリス)+デキサメタゾン」併用療法(Kd療法)にイサツキシマブ(製品名:サークリサ)を追加する治療を評価するIKEMA試験で、無増悪生存期間の顕著な延長が認められました。
「サークリサ+Kd療法」、Kd療法と比較して病勢進行または死亡リスクを42%低下
サノフィは2022年5月15日、多発性骨髄腫の再発患者さんに対し「イサツキシマブ+Kd療法」を評価するIKEMA試験の良好な結果を発表しました。「イサツキシマブ+Kd療法」は、Kd療法と比較して無増悪生存期間の顕著な延長が認められました。
IKEMA試験は、1~3回の前治療歴がある再発多発性骨髄腫の患者さん302人を対象に、「イサツキシマブ+Kd療法」とKd療法を比較した第3相試験です。治療開始後4週間はイサツキシマブの毎週投与を行い、その後は1サイクル28日として隔週投与し、並行してカルフィルゾミブの週2回投与と、標準用量のデキサメタゾンが投与されました。
主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全奏効率、完全奏効率、VGPR以上の奏効率、微小残存病変陰性率、全生存期間、安全性などでした。
解析の結果、「イサツキシマブ+Kd療法」はKd療法と比較して、病勢進行または死亡リスクを42%低下しました。無増悪生存期間の中央値は、それぞれ35.7か月と19.2か月でした。また、次治療までの期間は、「イサツキシマブ+Kd療法」は44.9か月、Kd療法は25か月でした。
ナント大学病院血液腫瘍科部長のフィリップ・モロー医師は、次のように述べています。
「多発性骨髄腫の再発がみられた患者さんに対して、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法にサークリサを追加投与する治療法でみられた無増悪生存期間の延長は、検討した全てのサブグループで一貫して認められました。多発性骨髄腫は多くの患者さんで再発するため、病勢進行がない状態を長く保つことができ、他の治療法との差別化が可能なセカンドライン治療が求められています。最新の解析で得られた今回の結果は、サークリサが、再発した多発性骨髄腫の新たな標準治療となる可能性をさらに高める内容です」