ジェセリ、「がん化学療法後に増悪したGIST」の効能・効果で国内承認

2022/07/12

文:がん+編集部

 HSP90阻害薬「ピミテスピブ(製品名:ジェセリ)」が、「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍(GIST)」の効能・効果で国内承認されました。

ジェセリ、プラセボと比較して病勢進行または死亡リスクを49%低下

 大鵬薬品工業は2022年6月20日、ピミテスピブが、「がん化学療法後に増悪したGIST」の効能・効果で製造販売承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、CHAPTER-GIST-301試験の結果に基づくものです。

 CHAPTER-GIST-301試験は、標準治療薬に不応または不耐と判断されたGIST患者さん86人を対象に、ピミテスピブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、安全性、QOLなどでした。

 解析の結果、無増悪生存期間の中央値がピミテスピブ2.8か月、プラセボ1.4か月で、病勢進行または死亡リスクを49%低下しました。

 安全性に関しては、20%以上の患者さんで認められたピミテスピブの有害事象は、下痢(74.1%)と食欲不振(31.0%)でした。10%以上で発現したグレード3以上の有害事象は、下痢(13.8%)でした。治療中止となった有害事象は、5.2%の患者さんで発生しました。

 ピミテスピブは、がんの増殖や生存などに関与する「KIT」「PDGFRA」「HER2」「EGFR」などのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示すHSP阻害薬です。

 同社は、次のように述べています。

 「アンメット・メディカル・ニーズの高いGISTに対して、本剤が患者さんや医療関係者に貢献できるよう、適正使用の推進に努めてまいります」