進展型小細胞肺がんに対し、DS-7300を評価する第2相試験を開始

2022/08/09

文:がん+編集部

 前治療歴のある進展型小細胞肺がんに対し、抗体薬物複合体DS-7300を評価する第2相試験で、最初の患者さんへの投与が開始されました。

DS-7300、トポイソメラーゼI阻害薬と抗B7-H3抗体を結合させた抗体薬物複合体

 第一三共は2022年7月21日、化学療法による前治療歴のある進展型小細胞肺がん患者さん80人に対し、抗体薬物複合体DS-7300を評価する第2相試験で、最初の患者さんへの投与が開始したことを発表しました。

 本試験 では、DS-7300の投与量8mg/kgと12mg/kgの2つのグループにわけて評価されます。主要評価項目は客観的奏効率、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効期間、全生存期間、病勢コントロール率、薬物動態、安全性などです。

 DS-7300は、新規のトポイソメラーゼI阻害薬を抗B7-H3抗体と結合させた抗体薬物複合体です。B7-H3は、小細胞肺がんを含むさまざまながん種で過剰発現しているタンパク質の1つで、がんの進行や予後の悪化に関係しているといわれています。DS-7300がB7-H3と結合することで、がん細胞内にトポイソメラーゼI阻害薬が送りこまれます。送り込まれたトポイソメラーゼI阻害薬の作用により、DNA障害作用およびアポトーシス誘導作用などが起こり抗腫瘍効果を発揮すると考えられています。