ガザイバ「CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」の適応追加、国内で承認
2023/01/25
文:がん+編集部
オビヌツズマブ(製品名:ガザイバ)の「CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」適応追加が、国内で承認されました。
「ガザイバ+カルケンス」、「ガザイバ+リューケラン」と比較して病勢進行または死亡リスクを90%低下
中外製薬株式会社と日本新薬株式会社は2022年12月23日、ヒト化抗CD20モノクローナル抗体オビヌツズマブについて、「CD20陽性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」に対する適応追加の承認を厚生労働省から取得したことを発表しました。今回の承認は、ELEVATE-TN試験の結果に基づくものです。
ELEVATE-TN試験は、前治療歴のない慢性リンパ性白血病患者さん535人を対象に、「アカラブルチニブ(製品名:カルケンス)+オビヌツズマブ」併用療法またはアカラブルチニブ単剤療法を、「クロラムブシル(製品名:リューケラン)+オビヌツズマブ」併用療法と比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は、「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ」併用療法と「クロラムブシル+オビヌツズマブ」併用療法を比較した無増悪生存期間、副次的評価項目は、アカラブルチニブ単剤療法と「クロラムブシル+オビヌツズマブ」併用療法を比較した無増悪生存期間でした。その他の副次的評価目として、全奏効率、次治療までの期間、安全性、全生存期間などが評価されました。
解析の結果、「アカラブルチニブ+オビヌツズマブ」併用療法は「クロラムブシル+オビヌツズマブ」併用療法と比較して、統計学的有意な無増悪生存期間の延長が示され、病勢進行または死亡リスクが90%低下しました。主な副作用は、好中球減少症、頭痛、下痢、挫傷、疲労、悪心、血小板減少症、発疹、関節痛、点状出血、浮動性めまいおよび貧血でした。
中外製薬代表取締役社長CEOの奥田 修氏は、次のように述べています。
「今回のガザイバの適応拡大により、慢性リンパ性白血病に対し、新たな併用療法の選択肢をお届けできることを嬉しく思います。慢性リンパ性白血病は経過の長い疾患です。ガザイバの有効性と安全性を通じ、慢性リンパ性白血病の患者さんに貢献できるよう、製品情報の提供に努めてまいります」
また、日本新薬代表取締役社長の中井 亨氏は、次のように述べています。
「ガザイバが慢性リンパ性白血病治療の新たな選択肢となり、医療現場のニーズにお応えできることを大変喜ばしく思います。そして、ガザイバが慢性リンパ性白血病患者さんの治療に役立つことを願っております。そのためにも、適正使用を推進すべく、情報提供活動を進めてまいります」