ゾルベツキシマブを評価したSPOTLIGHT試験に関する最新データをASCO GIシンポジウムで発表
2023/02/09
文:がん+編集部
Claudin18.2陽性、HER2陰性の切除不能な局所進行性または転移性胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの一次治療薬として開発中のゾルベツキシマブを評価したSPOTLIGHT試験に関する最新データが、2023年米国臨床腫瘍学会消化器癌(ASCO GI)シンポジウムで発表されました。
「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法」、病勢進行または死亡リスクを24.9%低下
アステラス製薬株式会社は2023年1月20日、ゾルベツキシマブを評価したSPOTLIGHT試験に関する最新データを2023年ASCO GIシンポジウムで報告したことを発表しました。
SPOTLIGHT試験は、Claudin18.2陽性、HER2陰性、切除不能な局所進行性または転移性の胃腺がんおよび食道胃接合部腺がん患者さん565人を対象に、一次治療として「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法(オキサリプラチン、ホリナート、フルオロウラシル)」併用療法と、「プラセボ+mFOLFOX6療法」を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性、忍容性、生活の質などでした。
無増悪生存期間の解析の結果、「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法」併用療法は「プラセボ+mFOLFOX6療法」と比較して、病勢進行または死亡リスクが24.9%低下。それぞれの無増悪生存期間の中央値は、10.61か月と8.67か月でした。また、全生存期間の解析では、「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法」併用療法は「プラセボ+mFOLFOX6療法」と比較して死亡リスクが25%低下し、それぞれの全生存期間の中央値は、18.23か月と15.54か月でした。「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法」併用療法は、無増悪生存期間と全生存期間のいずれでも統計学的に有意な延長を示しました。
重篤な治験薬投与下の有害事象の発現割合は、「ゾルベツキシマブ+mFOLFOX6療法」併用療法44.8%、「プラセボ+mFOLFOX6療法」43.5%で、これまでの試験と一致していました。最も発現頻度の高かった有害事象は、悪心(82.4%対60.8%)、嘔吐(67.4%対35.6%)、食欲減退(47.0%対33.5%)でした。
同社は、次のように述べています。
「今後、SPOTLIGHT試験および GLOW試験の結果に基づき、グローバルで規制当局への申請を行う予定です。アステラス製薬は、患者さんに新たな治療選択肢を提供することで、アンメットメディカルニーズの高い胃腺がんおよび食道胃接合部腺がんの治療に貢献していきます」