「イミフィンジ+イジュド+化学療法」、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの適応で国内承認

2023/02/07

文:がん+編集部

 「デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)+トレメリムマブ(製品名:イジュド)+化学療法」併用療法が、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を適応症として国内承認されました。

「イミフィンジ+イジュド+化学療法」、化学療法と比較して死亡リスクを23%低下

 アストラゼネカ株式会社は2022年12月28日、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法が、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を適応症として厚生労働省からの承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、POSEIDON試験の結果に基づくものです。

 POSEIDON試験は、ステージ4の転移性非小細胞肺がん患者さん1,013人を対象に、一次治療として「デュルバルマブ+化学療法(白金製剤を含む)」併用療法、または「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法の全生存期間、無増悪生存期間でした。重要な副次的評価項目は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法の全生存期間、無増悪生存期間でした。

 解析の結果、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法は、化学療法と比較して死亡リスクを23%低下。全生存期間の中央値は、それぞれ14.0か月と11.7か月でした。また、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法は、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを28%低下。無増悪生存期間の中央値は、それぞれ6.2か月と4.8か月であり、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間および無増悪生存期間の延長が認められました。

 デュルバルマブのそれぞれにおける併用療法の安全性プロファイルは、個々の医薬品で知られているプロファイルと一致しており、安全性に関わる新たな懸念は特定されませんでした。

 グレード3または4の治療と関連ありと判断された有害事象の発現割合は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法51.8%、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法44.6%、化学療法44.4%でした。治療と関連ありと判断され治療中止に至った有害事象の発現割合は、「デュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法」併用療法15.5%、「デュルバルマブ+化学療法」併用療法14.1%、化学療法9.9%でした。