切除可能な非小細胞肺がんを対象に、術前補助療法としてキイトルーダを評価したKEYNOTE-671試験の結果を発表
2023/04/13
文:がん+編集部
ステージ2~3Bの切除可能な非小細胞肺がんを対象に、「ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)+化学療法」を評価したKEYNOTE-671試験の結果を発表。主要評価項目の1つである無イベント生存期間の改善が認められました。
キイトルーダ、プラセボと比較した無イベント生存期間を改善
米メルク社は2023年3月1日、KEYNOTE-671試験の良好な結果を発表しました。
KEYNOTE-671試験は、ステージ2~3の切除可能な非小細胞肺がん患者さん786人を対象に、術前の「ペムブロリズマブ+化学療法」とその後のペムブロリズマブ単独療法による術後補助療法を、術前の「プラセボ+化学療法」とその後のプラセボによる術後補助療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は無イベント生存期間、全生存期間、主な副次的評価項目は病理学的完全寛解奏効、病理学的奏効などでした。
事前に規定された中間解析の結果、「ペムブロリズマブ+化学療法」併用の術前補助療法と切除後のペムブロリズマブ単独の術後補助療法は、「プラセボ+化学療法」による術前補助療法と切除後のプラセボによる術後補助療法と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある無イベント生存期間の改善を認めました。この解析では主な副次評価項目である病理学的完全奏効および病理学的奏効についても統計学的に有意な改善が認められました。また、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。
同社の研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのEliav Barr博士は、次のように述べています。
「KEYNOTE-671試験の結果により、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法が、2期、3A期、3B期の切除可能な非小細胞肺がん患者さんの周術期療法レジメンにおいて、無イベント生存期間、病理学的完全奏効、および病理学的奏効が、化学療法のみの場合と比較して、有意に改善することが示されました。このペムブロリズマブによるレジメンをより早期の非小細胞肺がんで使用できるようにすることで、患者さんの再発リスクを抑制できる可能性があります。この試験は重要なマイルストーンであり、当社は詳しい結果を可能な限り速やかに医学界に共有したいと考えています。この試験に参加してくださっている患者さんと治験責任医師の皆さんの重要な貢献に感謝します」