エンハーツ、「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能または再発乳がん」の効能または効果で国内承認
2023/04/17
文:がん+編集部
トラスツズマブ デルクステカン(製品名:エンハーツ)が、「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能または再発乳がん」の効能または効果について国内承認されました。
エンハーツ、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを36%低下
第一三共株式会社は2023年3月27日、トラスツズマブ デルクステカンについて、「化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能または再発乳がん」の効能または効果に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、DESTINY-Breast04試験の結果に基づくものです。
DESTINY-Breast04試験は、HER2低発現の切除不能または転移性乳がん患者さんを対象に、トラスツズマブ デルクステカンと医師の選択による化学療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、Nab-パクリタキセル)を比較した第3相試験です。主要評価項目はホルモン受容体陽性患者さんの無増悪生存期間、主な副次的評価項目は全患者さんの無増悪生存期間、全生存期間、客観的奏効率、奏効期間などでした。
試験の結果、ホルモン受容体陽性患者さんにおける無増悪生存期間の中央値は、トラスツズマブ デルクステカンが10.1か月、化学療法が5.4か月で、病勢進行または死亡リスクは36%低下。また、全生存期間の中央値は、それぞれ23.4か月と16.8か月で、死亡リスクを36%低下させました。
安全性に関しては、グレード3以上の有害事象が、トラスツズマブ デルクステカン52.6%、化学療法67.4%で認められました。
同社は、次のように述べています。
「HER2低発現の乳がんにおける新たな治療の選択肢を提供することで、国内のより多くの乳がん患者さんに貢献してまいります」