「パドセブ+キイトルーダ」、局所進行または転移性尿路上皮がんの一次治療としてFDAが承認
2023/04/25
文:がん+編集部
局所進行または転移性尿路上皮がんの一次治療として、「エンホルツマブ ベドチン(製品名:パドセブ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法が、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。
「パドセブ+キイトルーダ」、客観的奏効率68%(完全奏効12%、部分奏効55%)
アステラス製薬株式会社は2023年4月4日、「エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ」併用療法について、局所進行性または転移性尿路上皮がんで、シスプラチン不適応の患者さんに対する一次治療として、FDAから迅速承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、EV-103試験(KEYNOTE-869試験)の結果に基づくものです。
EV-103試験は、局所進行性または転移性尿路上皮がんの一次治療もしくは二次治療、筋層浸潤性膀胱がんを対象に、エンホルツマブ ベドチン単独療法またはペムブロリズマブや化学療法との併用療法を複数のコホート構成により評価した第1b/2相試験です。「エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ」併用療法は、コホートA(用量漸増コホート)、コホートKにおける客観的奏効率、奏効期間などが評価されました。
解析の結果、「エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ」併用療法は主要評価項目である客観的奏効率が68%で、そのうち完全奏効は12%、部分奏効は55%でした。コホートAでの奏効期間の中央値は22.1か月、コホートKでは未到達でした。
「エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ」併用療法の主な副作用(20%以上)は、グルコース増加(74%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(73%)、発疹(71%)、ヘモグロビン減少(69%)、クレアチニン増加(69%)、末梢性ニューロパチー(65%)、リンパ球減少(64%)、疲労(60%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(60%)、ナトリウム減少(60%)、リパーゼ増加(59%)、アルブミン減少(59%)、脱毛症(52%)、リン酸塩減少(51%)、体重減少(48%)、下痢(45%)、そう痒症(40%)、食欲減退(38%)、悪心(36%)、味覚不全(35%)、カリウム減少(35%)、好中球減少(32%)、尿路感染(30%)、便秘(27%)、カリウム増加(27%)、カルシウム増加(27%)、末梢性浮腫(26%)、ドライアイ(25%)、浮動性めまい(23%)、関節痛(23%)、皮膚乾燥(21%)でした。
今回の迅速承認は、現在進行中の検証試験であるEV-302試験において臨床的な有効性が確認されることが継続的な承認の条件となっています。