非転移性ホルモン感受性前立腺がんを対象にイクスタンジ併用療法を評価したEMBARK試験の結果を発表

2023/05/22

文:がん+編集部

 生化学的再発(BCR)のリスクが高い非転移性ホルモン感受性(または非転移性去勢抵抗性)前立腺がんを対象に、エンザルタミド(製品名:イクスタンジ)併用療法を評価したEMBARK試験の結果を発表。エンザルタミド併用療法は、プラセボと比較して非転移性ホルモン感受性前立腺がんの進行リスクを58%低減しました。

イクスタンジ併用療法、プラセボと比較して非転移性ホルモン感受性前立腺がんの進行リスクを58%低減

 アステラス製薬株式会社は2023年5月8日、EMBARK試験の結果を発表しました。

 EMBARK試験は、BCRのリスクが高い非転移性ホルモン感受性(または非転移性去勢抵抗性)前立腺がん患者さん1,068人を対象に、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法、「プラセボ+リュープロレリン」、エンザルタミド単剤療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法と「プラセボ+リュープロレリン」を比較した無転移生存期間、主な副次的評価項目は全生存期間、エンザルタミドと「プラセボ+リュープロレリン」を比較した無転移生存期間、PSA増悪までの期間、新しい抗腫瘍治療の開始までの期間、QOLなどでした。

 解析の結果、主要評価項目の「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法と「プラセボ+リュープロレリン」を比較した無転移生存期間において、病勢の進行または死亡リスクが58%低減しました。

 主な副次評価項目でも、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法とエンザルタミド単剤療法ともに統計的に有意な改善が認められ、主要評価項目と一貫した結果を示しました。具体的な解析結果は、以下の通りです。

 エンザルタミド単剤療法はプラセボと比較して、病勢進行または死亡のリスクを37%低減。また、PSA増悪までの期間および新しい抗腫瘍治療の開始までの期間については、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法、エンザルタミド単剤療法いずれも、統計学的に有意な改善が認められました。PSA増悪までの期間に関し、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法とエンザルタミド単剤療法は、プラセボと比較してそれぞれ93%と67%のリスクの低減、新しい抗腫瘍治療の開始までの期間に関しては併用療法で64%と単剤療法で46%、それぞれ増悪リスクの低減が認められました。全生存期間に関しては、観察期間が十分でないものの、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法で改善傾向が認められました。

 最も多く見られた有害事象は、「エンザルタミド+リュープロレリン」併用療法で疲労、ほてり、関節痛、エンザルタミド単剤療法で疲労、女性化乳房、関節痛でした。新たな安全性シグナルは観察されておらず、既知の安全性プロファイルと一致していました。