進行または再発子宮内膜がん患者さんを対象に、イミフィンジとリムパーザを評価したDUO-E試験の結果を発表
2023/06/21
文:がん+編集部
進行または再発子宮内膜がん患者さんを対象に、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)とオラパリブ(製品名:リムパーザ)を評価したDUO-E試験の結果を発表。「デュルバルマブ+オラパリブ」併用療法およびオラパリブ単剤療法は、化学療法への追加により無増悪生存期間の延長を認めました。
「イミフィンジ+リムパーザ」併用療法およびリムパーザ単剤療法、化学療法への追加で無増悪生存期間を有意に延長
アストラゼネカは2023年5月26日、DUO-E試験の良好な結果概要を発表しました。
DUO-E試験は、新たに診断されたまたは再発性のステージ3・4の子宮内膜がん患者さん699人を対象に、初回治療で「デュルバルマブ+化学療法」併用療法を実施した後の維持療法として、「デュルバルマブ+オラパリブ」併用療法またはオラパリブ単剤療法と、化学療法単独を比較した第3相試験です。主要評価項目は2つの試験グループと化学療法を比較した無増悪生存期間、重要な副次的評価項目は全生存期間、客観的奏効率、奏効期間、安全性、忍容性などでした。
解析の結果、維持療法としての「デュルバルマブ+オラパリブ」併用療法またはオラパリブ単剤療法のいずれもが、標準化学療法単独と比較して無増悪生存期間の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。「デュルバルマブ+オラパリブ」併用療法は、より強い臨床的な有効性を認めました。
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの婦人科腫瘍学および生殖医学科教授であり、DUO-E試験の治験責任医師でもあるShannon N. Westin氏は、次のように述べています。
「今回発表されたデータは、イミフィンジによる免疫療法が子宮内膜がん患者さんの病勢進行を有意に遅らせる可能性があり、PARP阻害剤であるリムパーザを追加することで、その治療ベネフィットを更に大きくできる可能性を示した素晴らしいデータです。これらの薬剤による併用療法は、患者さんの転帰を改善させる新たな治療アプローチとなりえるでしょう」