転移性非小細胞肺がんを対象に「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」を評価したCheckMate-9LAの4年間データを発表

2023/06/22

文:がん+編集部

 転移性非小細胞肺がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)」併用療法を評価したCheckMate-9LA試験の4年間のデータを発表。長期の持続的な生存ベネフィットが示されました。

「オプジーボ+ヤーボイ+化学療法」、化学療法と比較して死亡リスクが26%減少

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年6月4日、CheckMate-9LA試験の4年間の追跡調査の結果を発表しました。

 CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、転移性非小細胞肺がんを対象に、一次治療薬として「ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法」併用療法と化学療法を比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効率でした。

 最短47.9か月の追跡調査の結果、「ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法」併用療法は、主要評価項目である全生存期間を引き続き延長することが示されました。4年生存率は、「ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法」併用療法21%、化学療法16%で、死亡リスクを26%低減しました。また、臨床的に意義のある有効性は、副次評価項目や主要サブグループでも同様に示され、PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型のアンメットニーズが高い患者さんでより顕著に有効性が認められました。

 CheckMate-9LA試験の治験担当医師であり、オハイオ州立大学総合がんセンターの胸部腫瘍センター、ジェームズがん病院およびソローブ研究所の所長であるDavid P. Carbone医学博士は、次のように述べています。

 「化学療法を追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法が、特に一般的に予後不良な患者さんにおいて4年間にわたり持続的な結果を示したことは、依然として治療が非常に困難な進行または転移性非小細胞肺がんの患者さんにおける、特定の化学療法を追加した免疫療法薬2剤による併用療法の持続的なベネフィットを示すものです。PD-L1発現レベルが1%未満および扁平上皮がんの組織型の患者さんにおけるデータは特に勇気づけられるものであり、これまで最も予後不良であった患者集団において、併用療法が、化学療法単独と比較して治療後4年間にわたって死亡リスクを約3分の1に低減させることを示しています」