リトゴビ、「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」の効能・効果で国内承認
2023/07/14
文:がん+編集部
がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がんに対する効能・効果について、FGFR阻害薬フチバチニブ(製品名:リトゴビ)が国内承認されました。
リトゴビ、全奏効率42%/奏効期間(中央値)9.7か月
大鵬薬品工業株式会社は2023年6月26日、フチバチニブが「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」の効能・効果で、厚生労働省より製造販売承認を取得されたことを発表しました。今回の承認は、FOENIX-CCA2試験の結果に基づくものです。
FOENIX-CCA2試験は、FGFR2遺伝子の融合またはその他の再構成がある局所進行または転移性の切除不能な肝内胆管がん患者さん103人を対象に、フチバチニブの有効性と安全性を評価した第2相試験です。全身療法の治療歴のある患者さんに対し、病勢進行または許容できない毒性が認められるまで、フチバチニブ(1日1回20mg)の投与が行われました。主要評価項目は独立評価に基づく全奏効率、副次的評価項目は奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間、安全性、患者報告アウトカムなどでした。
解析の結果、全奏効率42%、奏効期間(中央値)は9.7か月でした。奏効は、複数の前治療歴のある患者さん、高齢者、TP53 変異がある患者さんなどの、全てのサブグループで認められました。追跡期間中央値17.1か月の時点の無増悪生存期間(中央値)は9.0か月、全生存期間(中央値)は21.7か月でした。
安全性に関しては、頻度の高かったグレード3の治療関連有害事象は、高リン酸血症(30%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇(7%)、口内炎(6%)、倦怠感(6%)でした。治療関連有害事象によりフチバチニブの投与を恒久的中止となった患者さんは2%発生しましたが、治療関連死は発生しませんでした。また、QOLは投与期間中維持されていました。
同社は、次のように述べています。
「本剤が胆道がん患者さんの新たな治療選択肢の一つとして、貢献できることを期待しています」