進行性固形がんを対象に抗体薬物複合体「DS-3939」を評価する第1/2相試験を開始

2023/10/06

文:がん+編集部

 進行性固形がんを対象に、抗体薬物複合体「DS-3939」を評価する第1/2相試験が開始されました。

DS-3939、TA-MUC1に対する抗体と複数のトポイソメラーゼ阻害薬を結合

 第一三共株式会社は2023年9月8日、進行性固形がんを対象に、抗体薬物複合体「DS-3939」を評価する第1/2相試験で最初の患者さんへの投与を開始したことを発表しました。

 DS-3939は、多くの上皮がんで過剰発現しているTA-MUC1に対する抗体と複数のトポイソメラーゼ阻害薬を結合した薬剤(抗TA-MUC1抗体薬物複合体)です。

 今回の第1/2相試験は、局所進行・転移性・切除不能の固形がん(非小細胞肺がん、乳がん、尿路上皮がん、卵巣がん、胆道がん、膵管腺がんなど)患者さんを対象に、DS-3939を評価する2つのパートで構成された臨床試験です。

 パート1では、DS-3939の投与量を段階的に増やしながら安全性と忍容性を評価し、最大耐用量とパート2での推奨用量が決定されます。パート2では、安全性と忍容性を評価するとともに客観的奏効率、病勢コントロール率、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間を含む有効性が評価されます。

 同社は、次のように述べています。

 「当社は、幅広いがん種における新たな治療の選択肢を提供するため、本試験を通じて本剤の価値を評価するとともに、当社のDXd-ADCsポートフォリオの価値最大化を目指してまいります」