進展型小細胞肺がん対象、「テセントリク+化学療法+アバスチン」を評価したBEAT-SC試験の結果発表

2023/12/01

文:がん+編集部

 進展型小細胞肺がんを対象に、一次治療として「アテゾリズマブ(製品名:テセントリク+化学療法+ベバシズマブ(製品名:アバスチン)」併用療法を評価したBEAT-SC試験の結果が発表されました。

「テセントリク+化学療法+アバスチン」、「テセントリク+化学療法」と比較して統計学的に有意な病勢進行または死亡リスクの低下を示す

 中外製薬株式会社は2023年10月24日、BEAT-SC試験の結果を発表しました。

 BEAT-SC試験は、進展型小細胞肺がん患者さん330人を対象に、一次治療として「アテゾリズマブ+化学療法+ベバシズマブ」と、「アテゾリズマブ+化学療法」を比較した第3相臨床試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は、全生存期間、全奏効率、安全性などでした。

 解析の結果、「アテゾリズマブ+化学療法+ベバシズマブ」は「アテゾリズマブ+化学療法」と比較して、統計学的に有意な病勢進行または死亡リスクの低下が認められました。副次的評価項目の一つである全生存期間は今回の中間解析では統計学的に有意な延長は認められませんでした。

 安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと同様でした。

 同社の代表取締役社長CEOの奥田修氏は、次のように述べています。

 「治療困難な進展型小細胞肺がんにおいて、テセントリク、化学療法とアバスチンの併用療法が無増悪生存期間の改善を示したことを、大変嬉しく思います。患者さんへの新たな価値の提供を目指し、引き続き検討を進めてまいります」