イクスタンジ、生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がんの治療薬としてFDAが承認

2024/01/16

文:がん+編集部

 生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がんの治療薬として、エンザルタミド(製品名:イクスタンジ)が、米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。

「イクスタンジ+リュープロレリン」とイクスタンジ単独は、「プラセボ+リュープロレリン」と比較して病勢進行または死亡リスクを低減

 アステラス製薬は2023年11月17日、生化学的再発のリスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がんの治療薬として、エンザルタミドがFDAから承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、EMBARK試験の結果に基づくものです。

 EMBARK試験は、生化学的再発リスクが高い非転移性ホルモン感受性前立腺がん、または非転移性去勢感受性前立腺がん患者さん1,068人を対象に、「エンザルタミド+リュープロレリン」、エンザルタミド単独、「プラセボ+リュープロレリン」を比較した第3相試験です。主要評価項目は「エンザルタミド+リュープロレリン」と「プラセボ+リュープロレリン」を比較した無転移生存期間、副次的評価項目はエンザルタミド単独と「プラセボ+リュープロレリン」を比較した無転移生存期間、全生存期間、去勢抵抗性までの期間、安全性などでした。

 試験の結果、「エンザルタミド+リュープロレリン」とエンザルタミド単独は、「プラセボ+リュープロレリン」と比較して病勢進行または死亡リスクを低減し、統計学的有意な改善が認められました。

 安全性に関して、グレード3以上の有害事象が発生した割合は、「エンザルタミド+リュープロレリン」46%、エンザルタミド単独50%、「プラセボ+リュープロレリン」43%でした。

 同社は、次のように述べています。

 「生化学的再発リスクが高い非転移性去勢感受性前立腺がん患者さんは、イクスタンジ単独、またはアンドロゲン除去療法であるゴナドトロピン放出ホルモン療法との併用で治療される可能性があります。今回の承認により、イクスタンジは、本適応症においてFDAで承認された最初の新規ホルモン療法となりました。新たな治療選択肢を提供することでアンメットメディカルニーズの高い前立腺がん治療に一層の貢献をしていきます」