免疫チェックポイント阻害薬、固形がんの周術期投与でグレード3~4の副作用が増加

2024/01/26

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬を従来の固形がんの周術期(術前、術後)に追加投与すると、グレード3~4の副作用が増加し、死亡に至る副作用も増加する傾向にあることが、既存論文の解析により判明しました。

発生頻度は少ないものの治療関連死亡の原因として肺臓炎、心筋炎、腸炎などを特定

 横浜市立大学は2023年11月27日、約1万7,000人の世界各国のデータを用いたシステマティックレビュー解析により、免疫チェックポイント阻害薬を従来の固形がんの周術期治療に追加する場合の副作用リスクを正確に算出した論文が、英文医学誌「THE LANCET Oncology」に掲載されたことを発表しました。同大学附属病院化学療法センターの堀田信之センター長、ロズウェルパーク総合がんセンター血液・腫瘍内科の藤原裕医師らの共同研究グループによるものです。

 免疫チェックポイント阻害薬を固形がんの周術期に投与することで無病生存期間や長期死亡率が改善するという報告があり、実臨床でも広く用いられるようになっています。一方、個別の研究では重度な有害事象の発生頻度が少ないことから副作用リスクが十分に評価できていませんでした。

 研究グループでは、システマティックレビューにより28本のランダム化比較試験の約1万7,000人のデータを解析。解析の結果、治療関連死亡の増加傾向、グレード3~4の副作用(重大な副作用)の増加、治療中止に至る副作用の増加が確認されました。また、発生頻度は少ないものの、治療関連死亡の原因として肺臓炎、心筋炎、腸炎などが特定されました。

 研究グループは今後の研究展開および波及効果として、次のように述べています。

 「本研究は、安全性の担保が重要視される術前・術後の周術期治療における免疫チェックポイント阻害薬の有害事象頻度を正確に解明した重要な成果となります。研究成果は日常診療でのがん患者さんへの情報提供に役立つと共に、今後は重篤な有害事象のリスク因子の同定や、有害事象の発生と周術期治療成績との関連性を解明する研究が期待されます」