進行または再発子宮内膜がんの一次治療として「レンビマ+キイトルーダ」を評価したLEAP-001試験の状況を発表
2024/02/05
文:がん+編集部
進行または再発子宮内膜がんの一次治療として「レンバチニブ(製品名:レンビマ)+ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)」併用療法を評価したLEAP-001試験において、2つの主要評価項目が未達となったことが発表されました。
「レンビマ+キイトルーダ」、化学療法と比較して統計学的に有意な改善を示さず
エーザイ株式会社と米メルク社は2023年12月9日、LEAP-001試験の状況を発表しました。
LEAP-001試験は、ミスマッチ修復機能(pMMR)を有し、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)/MSI-Hを有する進行または再発子宮内膜がん患者さん842人を対象に、一次治療として「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法と化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、副次的評価項目は客観的奏効率、生活の質、安全性などでした。
解析の結果、「レンバチニブ+ペムブロリズマブ」併用療法は化学療法と比較して、2つの主要評価項目である無増悪生存期間と全生存期間についての統計学的に有意な改善を認めませんでした。安全性に関しては、これまでに認められている安全性プロファイルと同様でした。
米メルク社の研究開発本部グローバル臨床開発のバイスプレジデントであるGregory Lubiniecki博士は、次のように述べています。
「我々は、キイトルーダとレンビマの併用療法を、新しい治療選択肢として、新たに進行または再発子宮内膜がんと診断された患者さんにお届けすることを目指してきましたが、LEAP-001試験において本併用療法の主要評価項目を達成できなかったことを残念に思います。当社は、引き続き、KEYNOTE-775試験/309試験の結果に基づき実証済みの、治療歴のある進行子宮内膜がん患者さんの治療におけるキイトルーダとレンビマのベネフィットは確固たるものであると考えており、他の治療困難ながん患者さんにおける本併用療法の研究を継続していきます」
また、エーザイのシニアバイスプレジデントであるオンコロジーグローバル臨床開発リードCorina Dutcus医師は、次のように述べています。
「LEAP-001試験の結果は、進行または再発子宮内膜がんにおける新たな一次治療法開発の難しさを示すものです。我々は、引き続き、レンビマとキイトルーダの併用療法の臨床開発プログラムに自信をもっています。また、本併用療法が、全身療法後に増悪した進行または再発子宮内膜がん患者さんの標準的な治療選択肢となっていることに誇りを持っており、引き続きこれらの患者さんに貢献してまいります。本試験に参加し、科学の進歩にご協力いただいた患者さんとそのご家族、治験責任医師の皆さんに感謝します」