再発リスクが高いHER2陽性の早期乳がんを対象にカドサイラを評価したKATHERINE試験の結果を発表

2024/02/06

文:がん+編集部

 再発リスクが高いHER2陽性の早期乳がんを対象に、トラスツズマブ エムタンシン(製品名:カドサイラ)を評価したKATHERINE試験の結果を発表。全生存期間の有意な改善が認められました。

カドサイラ、ハーセプチンと比較して7年時点の死亡リスクを34%低下

 ロシュ社は2023年12月8日、KATHERINE試験の結果を発表しました。

 KATHERINE試験は、トラスツズマブ(製品名:ハーセプチン)およびタキサンを含む術前化学療法後に浸潤性病変が残存するHER2陽性早期乳がん患者さん1,486人を対象に、術後補助療法としてトラスツズマブ エムタンシンとトラスツズマブを比較した第3相試験です。主要評価項目は浸潤性疾患のない生存期間、副次的評価項目は無病生存期間、全生存期間などでした。

 解析の結果、トラスツズマブ エムタンシンはトラスツズマブと比較して副次評価項目の全生存期間を統計学的有意に改善しました。7年時点のそれぞれの全生存率はトラスツズマブ エムタンシン89.0%、トラスツズマブ84.37%で、トラスツズマブ エムタンシンはトラスツズマブと比較した死亡リスクを34%低下させました。また、過去に報告された浸潤性疾患のない生存期間の有効性が経時的に維持されることも示され、トラスツズマブ エムタンシンはトラスツズマブと比較して再発または死亡リスクを46%低減し、KATHERINE試験の主要解析結果を補強しました。

 安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと同様で、新たな安全性シグナルは認められませんでした。