高リスク濾胞性リンパ腫の二次治療としてブレヤンジを評価したTRANSCEND FL試験の結果を発表

2024/02/19

文:がん+編集部

 高リスク濾胞性リンパ腫の二次治療として、リソカブタゲン マラルユーセル(製品名;ブレヤンジ)を評価したTRANSCEND FL試験の結果が発表されました。

ブレヤンジ、18.1か月(中央値)の追跡調査の結果、95.7%の患者さんで完全奏効を達成

 ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2023年12月10日、TRANSCEND FL試験の結果を2023年米国血液学会年次総会で報告したことを発表しました。

 TRANSCEND FL試験は、再発または難治性の濾胞性リンパ腫患者さん130人を対象に、リソカブタゲン マラルユーセルの有効性と安全性を評価した第2相試験です。主要評価項目は全奏効率、副次的評価項目は完全奏効率、奏効期間、無増悪生存期間などでした。

 中央値18.1か月の追跡調査の結果、有効性評価が可能だった23人のうち95.7%の患者さんで完全奏効を達成。中央値16.8か月時点での奏効期間は未達でした。また、12か月時点の奏効持続率は89.8%、無増悪生存期間の中央値は未達、無増悪生存率は91.3%でした。

 安全性に関しては、管理可能かつ予測可能な安全性プロファイルを引き続き示し、新たな安全性シグナルは認められませんでした。また、サイトカイン放出症候群および神経系事象の発現は低率でした。グレードを問わないサイトカイン放出症候群は52.2%で発現し、グレード3以上のサイトカイン放出症候群は報告されませんでした。グレードを問わない神経系事象は17.4%で報告され、グレード3の神経系事象が4.3%で発現、グレード4/5の神経系事象は報告されませんでした。報告されたサイトカイン放出症候群と神経系事象は全例が治療を受け回復しました。

 本試験の治験責任医師であり、フランス・リールの注射剤と関連技術に関する研究グループ、リール大学病院血液学教授のFranck Morschhauser医学博士は、次のように述べています。

 「ファーストライン治療の高い初期反応にもかかわらず、濾胞性リンパ腫患者さんの大半は再発して予後が悪化するため、有意かつ持続的な奏効を提供する治療選択肢が必要とされています。セカンドラインの治療選択肢としてリソカブタゲン マラルユーセルを評価したTRANSCEND FL試験の結果では、患者さんのほとんどが完全奏効を達成し、奏効が少なくとも12か月間持続しました。また、ブレヤンジの安全性プロファイルは引き続き管理可能であり、ファーストライン治療が不成功であった再発または難治性の濾胞性リンパ腫患者さんに対し、この差別化された治療選択肢を使用する臨床的に意義のある価値が示されています」