未治療の進行・転移性腎細胞がんを対象に「オプジーボ+カボメティクス」を評価した臨床試験の結果を発表
2024/03/13
文:がん+編集部
未治療の進行または転移性腎細胞がんを対象に、「ニボルマブ(製品名:オプジーボ)+カボザンチニブ(製品名:カボメティクス)」併用療法を評価したCheckMate-9ER試験の4年間の追跡調査結果を発表。長期的な生存ベネフィットが認められました。
「オプジーボ+カボメティクス」、スーテントと比較して病勢進行または死亡リスクを42%低減
ブリストル マイヤーズ スクイブ社は2024年1月22日、CheckMate-9ER試験の4年間の追跡調査結果を発表しました。
CheckMate-9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者さん651人を対象に、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法とスニチニブ(製品名:スーテント)を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は全生存期間、奏効率などでした。
追跡調査の結果、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法はスニチニブと比較して病勢進行または死亡リスクを42%低減。長期的な無増悪生存期間の改善が認められました。それぞれの無増悪生存期間の中央値は、16.4か月と8.4か月でした。
その他の解析結果は、以下の通りです。
- 全生存期間
- 「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法:46.5か月
- スニチニブ:36.0か月
- 奏効率
- 「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法:55.7%
- スニチニブ:27.7%
- 完全奏効
- 「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法:13.6%
- スニチニブ:4.6%
- 奏効期間
- 「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法:22.0か月
- スニチニブ:15.2か月
安全性に関しては、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレードを問わない治療に関連した有害事象が、「ニボルマブ+カボザンチニブ」併用療法97.5%、スニチニブ93.1%で認められました。グレード3以上の有害事象は、それぞれ67.5%と55.3%でした。
メキシコのInstituto Nacional de Ciencias Médicas y Nutrición Salvador Zubirán泌尿器がんクリニックのMaria Teresa Bourlon氏は、次のように述べています。
「腎細胞がんは治療が非常に困難な場合があり、進行または転移性と診断された患者さんはしばしば予後不良となります。CheckMate-9ER試験の最新のデータは、オプジーボとカボメティクスの併用療法が死亡リスクを23%低減させるなど、複数の試験評価項目における持続的な有効性を示し、この深刻な疾患に対する重要なファーストライン治療の選択肢として、引き続きその役割を裏づけるものです」