全身治療歴のある手術不能・再発のHR/HER2陰性の乳がんの治療薬として、sacituzumab govitecan を国内申請
2024/03/21
文:がん+編集部
全身治療歴のある手術不能または再発のホルモン受容体(HR)陰性かつHER2陰性の乳がんの治療薬として、sacituzumab govitecan が国内申請されました。
sacituzumab govitecan、化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを59%低下
ギリアド・サイエンシズ株式会社は2024年1月30日、全身治療歴のある手術不能または再発のHR/HER2陰性の乳がんの治療薬として、sacituzumab govitecanの承認申請を厚生労働省に対し行ったと発表しました。今回の承認申請は、ASCENT試験およびASCENT J-02試験の結果に基づくものです。
ASCENT試験は、局所進行性または再発転移性のトリプルネガティブ乳がんを対象に、sacituzumab govitecanと医師の選択による化学療法(エリブリン、ビノレルビン、カペシタビン、ゲムシタビン)を比較した海外第3相試験です。主要評価項目は脳転移のない患者さんに対する無増悪生存期間、副次的評価項目は全患者さんに対する無増悪生存期間、全生存期間、有害事象割合などでした。
ASCENT J-02試験は、進行固形がんまたはトリプルネガティブ乳がんの日本人患者さんを対象に、sacituzumab govitecanの安全性、忍容性、薬物動態、有効性を評価する国内第1/2相試験です。
ASCENT試験の結果、脳転移のある患者さんに対する解析では、sacituzumab govitecanは化学療法と比較して病勢進行または死亡リスクを59%低下。それぞれの無増悪生存期間の中央値はsacituzumab govitecan が5.6か月、化学療法が1.7か月でした。
副次評価項目の全生存期間の解析では、sacituzumab govitecanは化学療法と比較して死亡リスクを52%低下。全生存期間の中央値は、それぞれsacituzumab govitecan 12.1か月と化学療法6.7か月でした。