エルレフィオ、再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として発売
2024/06/13
文:がん+編集部
再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬「エルラナタマブ(製品名:エルレフィオ)」を発売。多発性骨髄腫に対する初めての二重特異性抗体薬です。
エルレフィオ、多発性骨髄腫に対する初めての抗BCMA/CD3二重特異性抗体薬
ファイザー株式会社は2024年5月22日、エルラナタマブを再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として発売したことを発表しました。同剤は、MagnetisMM-3試験およびMagnetisMM-2試験の結果に基づき、2024年3月26日に国内製造販売が承認されました。
MagnetisMM-3試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38モノクローナル抗体それぞれ少なくとも1剤ずつに抵抗性を示す再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象に、エルレフィオの有効性と安全性を評価した第2相試験です。この試験は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした治療歴がない患者さんを対象としたコホートAと、BCMAを標的とした治療歴のある患者さんを対象としたコホートBの2つのコホートで構成されました。
試験の結果、主要評価項目である奏効率について、コホートAおよびコホートBで臨床的に意義のある結果が認められました。主な有害事象は、サイトカイン放出症候群、貧血、好中球減少症、下痢、血小板減少症、疲労、食欲減退、リンパ球減少症、注射部位反応、発熱、悪心および低カリウム血症でした。
同社の取締役 執行役員 オンコロジー部門長のジョンポール・プリシーノ氏は、次のように述べています。
「再発または難治性多発性骨髄腫患者さんのアンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢として、抗BCMA/CD3二重特異性抗体という革新的な作用機序のエルレフィオをお届けできることを嬉しく思います。多発性骨髄腫の患者さんは約75%が60歳以上と報告されており、超高齢化社会が進展する日本において本領域で貢献することは、当社の重要なミッションのひとつです。今後も関連学会や医療機関と連携し、エルレフィオの適正使用推進に努めるとともに、がんと闘う患者さんとご家族にブレークスルーをお届けできるよう、新薬の開発にも取り組んでまいります」