切除後高リスク悪性黒色腫の術後補助療法として、MK-7684Aを評価したKeyVibe-010試験の結果を発表

2024/06/28

文:がん+編集部

 切除後高リスク悪性黒色腫を対象に、術後補助療法としてビボストリマブとペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)配合剤「MK-7684A」を評価したKeyVibe-010試験の結果を発表。統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を達成できる可能性が非常に低いことが示されました。

MK-7684A、キイトルーダ単剤と比較して術後補助療法の高い中止率を示す

 米メルク社は2024年5月13日、KeyVibe-010試験の最新情報を公開しました。

 KeyVibe-010試験は、切除後高リスクのステージ2B〜4の悪性黒色腫患者さん1,594人を対象に、術後補助療法としてMK-7684Aとペムブロリズマブ単剤を比較した第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間、主な副次評価項目は無遠隔転移生存期間、全生存期間などでした。

 事前に計画された解析において、主要評価項目である無増悪生存期間は事前に規定された無益性の基準に達しました。主に免疫関連の有害事象によって、配合剤MK-7684Aが投与された患者さんではペムブロリズマブ単剤と比較して術後補助療法の中止率が高く、本試験で統計学的に有意な無増悪生存期間の延長を達成できる可能性が非常に低いことが示されました。

 同社の研究開発本部のグローバル臨床開発部門がん担当シニアバイスプレジデントのマージョリー・グリーン博士は、次のように述べています。

 「当社は臨床開発プログラムを通して、今まで培ってきたキイトルーダの知見に基づき、新たな配合剤や併用療法の可能性を十分に探り、現在の標準療法を向上させ、より多くのがん患者さんに貢献していくために挑戦を続けています。試験に参加してくださっている患者さんや治験担当医師の皆さんに感謝いたします。この試験から得られた知見を活かしつつ、この配合剤の肺がんにおける試験を含め、新たな機序の多様なパイプラインを速やかに進めてまいります」