進行性・転移性の非小細胞肺がんを対象に、サシツズマブ ゴビテカンを評価したEVOKE-01試験の結果を発表
2024/07/22
文:がん+編集部
進行性または転移性の非小細胞肺がんを対象に、サシツズマブ ゴビテカンを評価したEVOKE-01試験の結果を発表。全生存期間の改善が認められました。
サシツズマブ ゴビテカン、ドセタキセルと比較して死亡リスクを16%低減
ギリアド・サイエンシズ社は2024年5月31日、EVOKE-01試験の結果を2024年米国臨床腫瘍学会年次総会で報告したことを発表しました。
EVOKE-01試験は、プラチナ製剤ベースの化学療法や免疫チェックポイント阻害薬による治療中または治療後に症状が進行した、進行性または転移性の非小細胞肺がん患者さん603人を対象に、サシツズマブ ゴビテカンとドセタキセルを比較した第3相試験です。主要評価項目は全生存期間、主な副次的評価項目は無増悪生存期間、客観的奏効率、奏効持続期間、病勢コントロール率、安全性などでした。
解析の結果、サシツズマブ ゴビテカンはドセタキセルと比較して死亡リスクを16%低下しました。全生存期間の中央値は、それぞれ11.1か月と9.8か月でした。また、扁平上皮型、非扁平上皮型にかかわらず、一貫して全生存期間の数値的な改善が認められました。
また、直近の抗PD-1抗体薬を含む治療で奏効しなかった患者さんに対する解析では、サシツズマブ ゴビテカンはドセタキセルと比較して死亡リスクを25%低下し、臨床的に意味のある全生存期間の改善が認められました。全生存期間の中央値は、それぞれ11.8か月と8.3か月でした。
さらに、直近の抗PD-1抗体薬を含む治療で奏効した転移性の患者さんに対する解析では、全生存期間の中央値は、サシツズマブ ゴビテカン9.6か月、ドセタキセル10.6か月でした。
安全性に関しては、これまでに報告されている安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3以上の有害事象の発現率は、サシツズマブ ゴビテカン66.6%、ドセタキセル75.7%で、中止に至る有害事象の発現率は、それぞれ9.8%と16.7%でした。グレードを問わない発現率の多かったサシツズマブ ゴビテカンの有害事象は、倦怠感(57%)、下痢(53%)、脱毛(43%)、ドセタキセルの有害事象は、倦怠感(56%)、好中球減少症(43%)、下痢(53%)でした。
スペイン・マドリードのHospital Universitario 12 de Octubreの腫瘍内科長であるルイス・バス・アレス医師は、次のように述べています。
「現在使用可能な治療で病勢進行をきたした転移性非小細胞肺がん患者さんの治療は、以前として難題です。病勢進行すると、多くの患者さんの標準治療は単剤化学療法に限定され、その有効性は限られています。サブグループ解析において認められた臨床的に意味のあるベネフィットを含め、これらのデータは有望であり、当該患者さんにおいては大きなアンメットニーズがあるため、さらなる研究が必要です」