レットヴィモ、RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する治療薬として国内承認
2024/07/31
文:がん+編集部
セルペルカチニブ(製品名:レットヴィモ)が、RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がんに対する治療薬として国内承認されました。
奏効率解析の結果、化学療法歴あり57.6%・化学療法歴なし0%・腫瘍組織検体以外でRET融合遺伝子陽性16.7%
日本イーライリリー株式会社は2024年6月24日、セルペルカチニブが「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」に対する治療薬として適応追加の承認を取得したことを発表しました。今回の承認は、LIBRETTO-001試験の結果に基づくものです。
LIBRETTO-001試験は、RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍(非小細胞肺がんおよび甲状腺がんを除く)を対象に、セルペルカチニブの忍容性と有効性、安全性を評価した第1/2相試験です。第1相パートでは、5人の患者さんでセルペルカチニブの忍容性が評価され、第2相パートでは、化学療法歴のある患者さん33人、化学療法歴のない患者さん2人、腫瘍組織検体以外でRET融合遺伝子陽性が確認された患者さん12人を対象に有効性が評価されました。第2相パートの主要評価項目は奏効率などでした。
奏効率の解析の結果、化学療法歴のある患者さんでは57.6%、化学療法歴のない患者さんでは0%、腫瘍組織検体以外でRET融合遺伝子陽性が確認された患者さんでは16.7%でした。
安全性に関しては、評価対象となった53人の患者さんで副作用が認められ、主な副作用はALT増加(35.8%)、AST増加(28.3%)、口内乾燥(26.4%)、下痢(17.0%)、高血圧(17.0%)などでした。
同社のオンコロジー事業本部長の小嶋毅彦氏は、次のように述べています。
「レットヴィモは、これまで、非小細胞肺がん・甲状腺がん・甲状腺髄様がんの承認を取得し、患者さんに治療選択肢を届けてまいりました。このたび、新たにレットヴィモがRET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍に対する治療薬として承認を取得し、がん種横断的に患者さんへ提供できることを誇りに思います。日本イーライリリーは、がんと共に生きるひとりひとりの患者さんのお役に立てるよう適正使用の推進に注力してまいります」