ステージ1B~3Aの非小細胞肺がんを対象に、術後補助療法としてイミフィンジを評価した臨床試験の結果を発表

2024/08/23

文:がん+編集部

 完全切除手術後のステージ1B~3Aの非小細胞肺がんを対象に、術後補助療法としてデュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)を評価したADJUVANT BR.31試験の結果を発表。主要評価項目の無病生存期間の改善は認められませんでした。

イミフィンジ、主要評価項目の無病生存期間において統計学的に有意な改善を認めず

 アストラゼネカは2024年6月25日、ADJUVANT BR.31試験の結果を発表しました。

 ADJUVANT BR.31試験は、術後補助化学療法の有無にかかわらず腫瘍完全切除後のステージ1B~3Aの非小細胞肺がん患者さん1,415人を対象に、術後補助治療としてデュルバルマブとプラセボを比較した第3相試験です。主要評価項目は、腫瘍細胞の25%以上でPD-L1を発現し、EGFR遺伝子変異またはALK再構成が確認されていない患者さんの無病生存期間でした。主要な副次評価項目には、腫瘍細胞の1%以上でPD-L1を発現している患者さん、およびPD-L1腫瘍細胞発現状態を問わない患者さんの無病生存期間、全生存期間、安全性などでした。

 主要評価項目の解析の結果、デュルバルマブはプラセボと比較した無病生存期間の統計学的有意な改善を示しませんでした。

 同社のオンコロジー研究開発担当エグゼクティブ バイスプレジデントのSusan Galbraith氏は、次のように述べています。

 「ADJUVANT BR.31試験の結果については残念に思います。イミフィンジは治療環境の変化に貢献し、複数の第3相試験において早期ステージの肺がん患者さんに対して肯定的な結果を達成してきました。当社は広範な開発プログラムを通じて、肺がんで残されているアンメットニーズの解決に取り組んでいます」