国がん、がんの生存率に関する国際調査の結果を発表

文:がん+編集部

日本では、黒色腫や成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患の生存率、他の地域より低い結果に

 国立がん研究センターは2月20日、がんの生存率に関する国際調査(CONCORD-3)の結果を公表しました。

 CONCORD-3は、2000-2014年の15年間に診断された3,750万症例のがんの生存率に関する国際共同研究で、71の国と地域、322の人口ベースのがん登録から個別データが提供されました。対象は、がんの18局在または局在群です。対象の部位は、成人の食道、胃、結腸、直腸、肝臓、すい臓、肺、女性乳房、子宮頸部、卵巣、前立腺と皮膚の黒色腫、成人と小児の脳腫瘍・白血病・リンパ腫です。日本からは、日本の総人口の40.6%にあたる16府県が参加しました。このデータを、同じ手法で処理した71の国と地域のデータと比較し、推移を検討しました。

 大部分のがんの生存率は、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェーとスウェーデンで最も高くなりました。生存率は予後が不良ながんでも上昇傾向で、肝臓がん、すい臓がん、肺がんで最大5%の生存率向上がみられた国もあったといいます。

 日本は、世界の中でも、消化器がんの生存率が高い国のひとつで、肺がん、肝臓がんでも良好な予後を示しています。これは、医療水準だけでなく、一般的な関心の高さが早期発見につながり良好な生存率に貢献していると考えられるそうです。

 一方で、皮膚の黒色腫や成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患の生存率は、他の地域より低い結果となりました。皮膚の黒色腫や成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患で、日本人に発生しやすいがんとは構成が違うことが理由と考えられ、日本人の状況を踏まえたがん対策が望まれるとしています。

 国立がん研究センターは、今回の研究に対して「人口ベースの登録に基づく統計は、がん対策の基礎です。CONCORDに基づく生存率は、2017年に経済協力開発機構が世界48か国を対象とした保健医療の質の評価指標のひとつに採用しており、日本でもがん対策の企画立案や評価に役立てるべき」と考察しています。研究結果は、英学術雑誌「The Lancet」に掲載されました。