腫瘍溶解ウイルス製剤と抗PD-1抗体薬との併用療法の第1相臨床試験を開始

文:がん+編集部

ウイルス製剤と免疫チェックポイント阻害剤の併用で抗腫瘍効果の向上に期待

 国立がん研究センター東病院は3月2日、進行性または移転性の固形がん患者さんを対象に、腫瘍溶解ウイルス製剤のテロメライシン(OBP-301)と、免疫チェックポイント阻害薬で抗PD-1抗体のペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)との併用療法に関する第1相臨床試験を開始したと発表しました。

 テロメライシンは、風邪ウイルスのひとつである5型ヒトアデノウイルスに、細胞ががん化した時に活性化する酵素の遺伝子の一部を遺伝子改変によって組み込んだウイルス製剤です。正常な細胞に感染してもほとんど増殖せず、がん細胞内のみで特異的に増殖します。ウイルスの増殖によってがん細胞が破壊され、そのときに放出されたウイルスが周囲のがん細胞に感染することで、投与した部位以外のがんが縮小することも期待されるとしています。

 ペムブロリズマブは、免疫細胞の表面にあるPD-1に結合することにより、がん細胞の表面にあるPD-L1とPD-L2の結合を阻害します。がん細胞によってブレーキをかけられていた免疫を解除して、免疫細胞が本来の力を発揮できるようにすることで再びがん細胞を攻撃できるようにします。今までにメラノーマ、非小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫などで抗腫瘍効果が確認されており、現在30種類以上のがんにおいて臨床試験が進められています。

 国立がん研究センター東病院は、「テロメライシンとペムブロリズマブを併用することにより、抗腫瘍効果のさらなる向上を期待する」とコメントしています。

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