アベルマブ、前治療歴のある進行非小細胞肺がん対象の第3相臨床試験結果を発表

文:がん+編集部

PD-L1陽性(1%以上)の腫瘍がある患者群に対するOS改善は示さず

 独メルクと米ファイザーは2月15日、白金製剤を含む2剤併用療法後に進行が認められた切除不能、再発または転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、アベルマブ(製品名:バベンチオ) とドセタキセルを比較した第3相臨床試験「JAVELIN Lung 200」の結果を発表しました。

 アベルマブは、がん細胞の表面にあるPD-L1を特異的に阻害する免疫チェックポイント阻害剤 です。日本では、「根治切除不能なメルケル細胞がん」を効能・効果として2017年9月に製造販売承認を取得し、11月22日から販売しています。

 同試験では、主要評価項目であるPD-L1陽性(1%以上)の腫瘍がある患者群に対して全生存期間(OS)の改善は示さなかったといいます(ハザード比:0.90(96%信頼区間:0.72-1.12)、p値0.1627、片側)。

 また、PD-L1中等度陽性(50%以上、試験対象集団の約40%)およびPD-L1強陽性(80%以上、試験対象集団の約30%)の患者さんでは、アベルマブ投与群は化学療法群と比べOSの改善が認められました(それぞれ、ハザード比:0.67(95%信頼区間:0.51-0.89)、p値0.0052、両側、およびハザード比:0.59(95%信頼区間:0.42-0.83)、p値0.0022、両側)。今回の試験で得られたアベルマブの安全性プロファイルは、他の臨床試験での報告と同様で、安全性に関する新たな知見は得られなかったとしています。

 仏エクス・マルセイユ大学とマルセイユ公立大学病院機構で学際的腫瘍学・治療法イノベーション部長で同試験の責任医師であるFabrice Barlesi氏は、「今回の試験で示されたアベルマブの有効性ならびに安全性は、従来通りのものでした。今日、複数の免疫チェックポイント阻害剤が承認されており、前治療歴のある進行NSCLC患者さんの多くが、病勢進行後に免疫チェックポイント阻害剤の治療を受けています。こうした点が今回の試験の対照群で認められ、主要試験結果に影響を及ぼした可能性が考えられます」とコメントしています。