EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん 新たな一次治療薬がEUで承認

文:がん+編集部

 EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの成人患者さんに対する一次治療として、タグリッソがEUで承認されました。承認審査中の日本でも、承認への期待が寄せられます。

タグリッソ 日本では承認審査中

 英アストラゼネカ社は6月8日、EGFR遺伝子変異陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんに対する1次治療としてで、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)単剤療法がEUで販売承認を取得したと発表しました。

 オシメルチニブは、第3世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)と呼ばれており、現在は、EGFR-TKIによる1次治療で耐性ができた場合に使用できます。オシメルチニブの1次治療は、日本では未承認です。

 今回の承認は、第3相臨床試験のFLAURA試験の結果に基づくものです。この試験は、前治療歴のない局所進行あるいは転移性EGFR遺伝子変異陽性のNSCLC患者さんを対象とし、オシメルチニブ(80mg1日1回投与)と標準治療のEGFR-TKIであるエルロチニブ(製品名:タルセバ)(150mg 1日1回経口投与)またはゲフィチニブ(製品名:イレッサ)(250mg 1日1回経口投与)を比較検討した試験です。

 この試験の結果、無増悪生存期間(PFS)※1の中央値は、オシメルチニブ群で18.9か月、エルロチニブまたはゲフィチニブ群で10.2か月でした。また、FLAURA試験などの結果から、オシメルチニブに関する安全性データが評価されました。オシメルチニブの忍容性※2は良好で、その大部分の有害事象の重篤度はグレード1または2だったそうです。

 日本において、オシメルチニブはEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんの1次治療として承認審査中です。2018年下半期に判断が下されると予想されています。

※1 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2 薬による有害事象(副作用)に、どのくらい耐えられるかの程度を忍容性といい、有害事象に十分耐えられるときは「忍容性が高い」、耐えられないときは「忍容性が低い」と表現されます。