卵巣がんを早期検出可能な診断モデルを作成

文:がん+編集部

 卵巣がんを早期に検出できる診断モデルが作成されました。今後、血液検査で卵巣がんを早期発見できるようになる可能性があります。

卵巣がんの早期発見と治療成績向上に期待

  国立がん研究センターは10月17日、早期診断が困難で予後がわるい卵巣がんについて、血液検査で卵巣がんを検出する診断モデルの作成に成功したと発表しました。東京医科大学医学総合研究所分子細胞治療部門の落谷孝広教授と MDアンダーソンがんセンターの横井暁博士研究員、松崎潤太郎特任研究員らによる研究です。

 本研究は、卵巣がん患者さんと卵巣がんがない4,046人の血液を調べ、マイクロRNAを網羅的に解析しました。その結果、卵巣がん患者さんで有意に変化する複数のマイクロRNAを同定し、そのうち10種類のマイクロRNAを組み合わせることで、卵巣がんを早期に検出することができることを確認したそうです。

  国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科長の加藤友康氏は「卵巣がんは15歳以上のすべての年齢で増加傾向にあります。卵巣がんの初期は症状に乏しく、およそ半数が進行した状態で発見されます。既存の腫瘍マーカーにこの新しい血液検査を組み合わせて一次スクリーニング、そして二次スクリーニングには超音波検査というプログラムが、卵巣がんの早期発見と治療成績向上に寄与することが期待されます」とコメントしています。

 卵巣がんは年間1万人が罹患し、その半数が死亡する予後の悪いがんです。自覚症状もあまりなく、骨盤内の奥にできるため早期発見が難しく、約6割の人が進行した状態や転移がある状態で発見されます。今回の研究成果により、卵巣がんの早期発見ができるようになれば、早期に治療を開始することができるため、予後の改善にも期待がもてるようになりそうです。