オプジーボと低用量ヤーボイ併用、大腸がんで持続的効果を示す

2018/11/02

文:がん+編集部

  大腸がんに対する、ニボルマブ(製品名:オプジーボ)と低用量イピリムマブ(製品名:ヤーボイ)の併用療法が、持続的な効果を示したそうです。治療予後が悪いタイプの大腸がんの1次治療としての可能性があります。

予後の悪いタイプの大腸がんの1次治療の可能性も

  米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は10月22日、CheckMate-142試験の新たな解析結果を発表しました。

 同試験は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはDNAミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の転移性大腸がん対する、ニボルマブ単独療法とニボルマブと他剤の併用療法を比較した第2相臨床試験です。

 今回発表された解析結果は、ニボルマブと低用量イピリムマブの併用療法が、MSI-HまたはdMMRの転移性大腸がん患者さんの1次治療として持続的な効果を示したというものです。13.8か月(中央値)の追跡調査において、奏効率※1は60%、完全奏功※2は7%。奏功した患者さんの82%で奏功が持続し、同じく奏功した患者さんの74%で6か月以上の奏功が持続していました。

 病状が悪化、死亡、投与が継続できない毒性が現れるまでニボルマブ(3mg/kg)を2週間間隔とイピリムマブ(1mg/kg)を6週間間隔で併用され、グレード3~4の有害事象が16%、治療の中止につながった例が7%で発現しました。

 南カリフォルニア大学ノリス総合がんセンター消化器がんプログラムの共同リーダーであり、成人オンコロジー部門のアソシエートディレクターである Heinz-Josef Lenz氏は「CheckMate-142試験の結果は、MSI-HまたはdMMRのバイオマーカーを有する転移性大腸がん患者さんにおけるオプジーボと低用量のヤーボイの併用療法の持続性を明確に示しており、治療予後が不良である場合が多いこれらの患者さんのファーストライン治療薬としての同併用療法の可能性を示唆しています」とコメントしています。

CheckMate-142試験

対象:大腸がん
条件:MSI-Hまたは非MSI-Hの再発・転移性大腸がん
登録数:340
実験群:ニボルマブ単独
実験群:ニボルマブ+他剤の併用、ほか
主要評価項目:研究者によって決定された客観的奏効率
副次的評価項目:IRRC決定に基づくすべての奏効率

※1:完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。
※2:腫瘍が完全に消失した状態です。