アカラブルチニブ、マントル細胞リンパ腫と慢性リンパ性白血病の治験で良好な結果を示す

文:がん+編集部

  悪性リンパ腫の一種マントル細胞リンパ腫(MCL)の患者さんと慢性リンパ性白血病(CLL)の患者さんを対象とした、アカラブルチニブ(製品名:カルクエンス)の2つの治験の結果が発表されました。どちらも良好な結果です。

MCLで26か月の奏功期間達成、CLLでも97%の全奏効率を示す

  英アストラゼネカ社は12月3日、アカラブルチニブの2つの臨床試験の結果を、第60回米国血液学会議の学術集会で報告したと発表しました。第2相ACE-LY-004試験の新たな長期追跡結果と現在進行中の第1/2 ACE-CL-001試験の最新結果です。

 ACE-LY-004試験は、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫患者さん124人を対象としたアカラブルチニブの有効性と安全性を評価した第2相試験です。今回発表された長期追跡データは、2年以上(26か月)の奏功期間中央値を達成したそうです。

 ACE-CL-001試験は、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫の患者さん286人を対象としたアカラブルチニブの有効性と安全性を評価した第1/2相試験です。今回発表された3年半時点での治療歴のない慢性リンパ性白血病の患者さんにおいて97%の全奏効率※1を示しました。

 ACE-LY-004 MCL試験の治験統括医師で、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのリンパ腫・骨髄腫部教授のMichael L. Wang医師は「追加解析におけるアカラブルチニブの持続的奏功期間と安全性プロファイルがマントル細胞リンパ腫患者さんにおいて長期にわたり一貫して維持されたことが証明されたことは非常に有意義な結果です。本治療薬の使用経験を積み重ねていくことで、再発または難治性マントル細胞リンパ腫の治療選択肢としての同剤の重要性が臨床現場および患者さん全体においてさらに増していくでしょう」とコメント。

 ACE-CL-001 CLL臨床試験の治験統括医師であり、オハイオ州立大学の名誉教授のJohn C. Byrd医師は「慢性リンパ性白血病治療において鍵となるチャレンジは患者さんが長期にわたり忍容性と有効性を享受できる治療を担保することです。本患者コホートにおける3年半の追跡時点で明らかになった結果は、奏功の持続性および治療の忍容性の両方の観点から有意義といえます。我々は慢性リンパ性白血病治療におけるアカラブルチニブを評価する進行中の試験の今後のデータに期待しています」とコメントしています。

 アカラブルチニブは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に選択的に結合することで阻害する分子標的薬です。BTKは、B細胞の増殖や走化、接着に必要な情報伝達系を活性化させることがわかっています。

ACE-CL-001試験

対象:マントル細胞リンパ腫
条件:再発または難治性
フェーズ:第2相臨床試験
試験デザイン:単一グループ オープンラベル
登録数:124人
試験群:アカラブルチニブ
主要評価項目:全奏効率

ACE-CL-001試験

対象:慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
条件:再発または難治性
フェーズ:第1/2相臨床試験
試験デザイン:単一グループ オープンラベル
登録数:286人
試験群:アカラブルチニブ
主要評価項目:最大耐用量

※1:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。