テセントリク、乳がんに対して適応拡大の承認申請

2019/01/09

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬 アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)乳がんへの適応拡大と剤型追加の承認申請がされました。適応追加は、転移性または切除不能な局所進行乳がんに対するものです。

死亡リスクの低下が認められた治験「Impassion130試験」の結果に基づき申請

 中外製薬株式会社は2018年12月21日、アテゾリズマブについて、転移性または切除不能な局所進行乳がんに対し、効能・効果追加、用法・用量追加、および840mg製剤の剤型追加の承認申請を、厚生労働省に行ったことを発表しました。今回の申請は、Impassion130試験の成績に基づくものです。

 Impassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性トリプルネガティブ乳がんの患者さんを対象に、アテゾリズマブとパクリタキセル併用とパクリタキセル単独を比較して、有効性と安全性、薬物動態を検討した臨床試験です。

 試験の結果では、試験に参加したすべての患者さんと PD-L1の発現が認められた患者さんのサブグループともに、病勢進行および死亡リスクを低下が認められました。全患者さんの無増悪生存期間※1の中央値は、アテゾリズマブとパクリタキセル併用群が7.2か月、パクリタキセル単独が5.5か月で、PD-L1発現のサブグループでは、7.5か月と5.0か月という結果でした。

 同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東康氏は「トリプルネガティブ乳がんは、進行が早く予後不良な、アンメットニーズの高い疾患です。テセントリクは免疫チェックポイント阻害剤として初めて、トリプルネガティブ乳がんに対する有効性が確認されました。私たちは国内で本剤をいち早く患者さんへお届けし、より良い治療の実現に貢献できるよう尽力してまいります」とコメントしています。

Impassion130試験

対象:トリプルネガティブ乳がん
条件:手術不能の局所進行または転移性で全身薬物療法を受けていない患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:多施設、無作為化、プラセボ対照
登録数:900人
試験群:アテゾリズマブ+パクリタキセル併用
対照群:プラセボ+パクリタキセル
主要評価項目:無増悪生存期間、全生存期間※2
副次的評価項目:全奏効率※3ほか

※1:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※3:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。