2000年以降子宮頸がん患者数増加、若年層の増加が顕著な傾向

文:がん+編集部

 2000年を境に子宮頸がんの患者数が増加しており、特に30歳以下の若年層で増加していることが大阪大学らの調査で明らかになりました。

若年層の子宮頸がんは、放射線治療が効きにくい

 大阪大学は2月4日、大阪府がん登録データを用いた日本における子宮頸がんの動向を解析し、その結果を発表しました。同大大学院医学系研究科の八木麻未特任研究員、産科学婦人科学の上田豊講師らの研究グループによるものです。

 この研究は、1976年~2012年の間に登録された大阪府がん登録のデータを利用して、2万5000人の子宮頸がん患者さんを種類別、年齢層別、進行ステージ別、治療法別の罹患率で解析。その結果、1976年から減少傾向にあった10万人あたりの年齢調整罹患率が、2000年を契機に以降は増加傾向になっていることがわかりました。子宮頸がんの中でも予後が悪い腺がんは、30歳代以下の若年層で増加していたそうです。診断から一定年数生存している患者さんのその後の生存率であるサバイバー生存率では、1年生存していた患者さんより2年生存していた患者さんの方が5年生存率は上がる傾向があり、有意の上昇していました。さらに、ステージ別では、限局性と隣接する臓器にがんが留まる患者さんの10年相対生存率が、2003年以降、顕著に改善しており、同時放射線化学療法の導入や2000年以降の子宮頸癌治療ガイドラインの普及が寄与したと推測されます。遠隔転移のある進行子宮頸がんでは、有意な予後の改善は認められませんでした。

 限局性の患者さんに対する治療法で、手術と同時放射線化学療法を比較したところ、手術を主治療として行った患者さんでは、年齢による相対生存率の違いは見られず、放射線を含む治療が行われた患者さんでは、若年層の相対生存率が他の年代と比べて低い傾向でした。このことから、若年層の子宮頸がんでは、放射線治療が効きにくいことが示唆されました。

 今回の調査により、子宮頸がんの予防・治療戦略に重要な知見が得られました。今後、日本での治療選択に行かされることが期待されます。大阪大学の発表では「本研究により、子宮頸がんが近年増加していることが明らかとなったことから子宮頸がんの予防の重要性が改めて示されたため、今後の日本での子宮頸がん検診およびHPVワクチンの普及が期待されます。子宮頸がんの治療において、若年層では治療抵抗性の腺がんが特に増えていること、またがんの遠隔転移といった進行症例において予後の改善は認められなかったことから治療の難しさが浮き彫りとなり、治療の更なる改善を図ることが求められます。また、若年層では子宮頸がんの治療法として手術より放射線治療が効きにくいとことが判明したため、本結果は今後治療選択を行う上で有益な情報となります」と、この研究成果が社会に与える影響を言及しています。