特定の転移性非小細胞肺がんの1次治療、テセントリク+アバスチン+化学療法が欧州で承認

文:がん+編集部

 特定の転移性非小細胞肺がんの1次治療として、アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)ベバシズマブ(製品名:アバスチン)+化学療法併用が欧州医薬品委員会で承認されました。

EGFR、ALK陽性に対する分子標的薬不応例に限り承認

 中外製薬は3月15日に、転移性非扁平上皮非小細胞肺がんの成人患者さんに対する、アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法(パクリタキセルまたはカルボプラチン)併用による1次治療について欧州委員会が承認し、製造販売を認めたことを発表しました。EGFR遺伝子変異または、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんで、分子標的薬の不応例に限られた承認です。今回の承認は、第3相臨床試験IMpower150試験の結果に基づくものです。

 IMpower150試験は、化学療法による前治療がないステージ4の非扁平上皮非小細胞肺がんを対象に、アテゾリズマブ+化学療法の併用にベバシズマブを追加または追加しない場合の有効性と安全性を、ベバシズマブ+化学療法の併用と比較したオープンラベルランダム化多施設共同の第3相臨床試験です。今回の承認で、EGFR遺伝子変異または、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんで、分子標的薬の不応例の条件がつけられたのは、IMpower150試験の中間解析で、アテゾリズマブ併用群は非併用群に対して、EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子陽性患者さんを除く解析集団で、主要評価項目である生存期間の延長が認められていたためです。

 アテゾリズマブは、2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、IMpower150試験に基づき、同年12月に化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する用法・用量の追加について承認を取得しています。現在、乳がんおよび小細胞肺がんに対する適応拡大が申請中です。

IMpower150試験

対象:扁平上皮がんを除く非小細胞肺がん
条件:化学療法未治療のステージ4の患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:ランダム化、多施設共同、非盲検試験
登録数:1202人
試験群1:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
試験群2:アテゾリズマブ+ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
対照群:ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
主要評価項目:無増悪生存期間※1、全生存期間※2
副次的評価項目:奏効率※3ほか

※1:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※3:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。