アベルマブ、化学療法、タラゾパリブの未治療卵巣がんに対する治験を中止

文:がん+編集部

 未治療の進行性卵巣がんに対するJAVELIN Ovarian PARP 100試験が中止されました。すでに発表されていた中間結果など複数の要因に基づくものです。

卵巣がんに対する免疫療法の役割をより正しく理解するために

 ドイツのメルクと米国のファイザーは3月19日に、未治療の局所進行性または転移性卵巣がんを対象に、アベルマブ(製品名:バベンチオ)と化学療法の併用治療と、それに続くアベルマブとPARP阻害剤タラゾパリブの併用による維持療法の有効性と安全性を実薬対照群と比較して評価した第III相 JAVELIN Ovarian PARP 100試験を中止したと発表しました。今回の治験の中止は、すでに発表されている中間結果など、同試験の開始後に明らかとなった複数の要因に基づくものです。

 卵巣がん患者さんの5人中4人は、診断時にはリンパ節転移や遠隔転移があるステージ3や4の状態で見つかっています。そのためメルクとファイザーは、卵巣がん治療のアンメットニーズを解決するために、この適応で初めてとなる免疫療法の臨床試験を行っていました。

 メルクとファイザーは、同試験の中止に関して「卵巣がんのフロントライン治療を目的としたJAVELIN Ovarian 100試験でアベルマブが示したベネフィットの程度から、対象患者さんを絞らないJAVELIN Ovarian PARP 100試験は継続せず、卵巣がんに対する免疫療法の役割をより正しく理解する必要があると判断しました。さらに、急激な治療環境の変化や他のPARP阻害剤がフロントライン維持療法として承認されたことも、このような判断を下した要因として挙げられます。JAVELIN Ovarian PARP 100試験の中止の決定は、安全上の理由によるものではありません」と中止理由を述べています。

 今回の中止により、アベルマブで既に承認されている適応症や進行中のJAVELIN臨床開発プログラムへの影響はないそうです。同プログラムでは30以上の臨床プログラムが行われており、乳がん、胃/胃食道接合部がん、頭頸部がん、メルケル細胞がん、非小細胞肺がんおよび尿路上皮がんほか15以上のがん種を対象に9,000人以上の患者さんが登録されています。