転移性尿路上皮がんの治療薬エルダフィチニブ、FDAで迅速承認
2019/04/25
文:がん+編集部
線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)遺伝子異常陽性の転移性尿路上皮がんの治療薬エルダフィチニブが、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得しました。
エルダフィチニブ、4種類FGFRを阻害
大塚製薬は4月18日に、子会社のアステックス社とベルギーのヤンセン社が共同研究で見出したエルダフィチニブが、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)遺伝子異常を有する転移性尿路上皮がんに対する分子標的薬として、FDAから迅速承認を取得したと発表しました。
エルダフィチニブは、4種類のFGFRの活性を阻害する分子標的薬です。FGFは、血管新生などに関連する成長因子の一種で、細胞の増殖や分化において重要な役割を担っています。エルダフィチニブは、経口剤として、1日1回服用することで抗腫瘍効果を発揮します。
エルダフィチニブは、アステックス社とヤンセン社が2008年に締結した、抗がん剤を含む新規低分子FGFRキナーゼ阻害薬開発に関する全世界での包括的なライセンス契約において見出されました。今回の承認により、アステックス社は、ヤンセン社からマイルストンを受領しています。販売は、開発および製造販売申請を実施したヤンセン社が行う予定です。
英国アステックス社のハーレン・ジョティCEOは「エルダフィチニブの承認にあたり、この新薬の発見と開発に尽力されたヤンセン社と FGFR に関する先駆的な共同研究を実施したニューカッスル大学の共同研究者の皆様に大変感謝するとともにお祝いを申し上げます。本剤が当社のフラグメント創薬技術および共同研究により承認された 2つ目の製品になることを誇りに思います。当社はがん患者さんのための新薬創製にさらに注力してまいります」とコメントしています。