がん患者さんと医師がともに治療選択を行う患者支援が開始

文:がん+編集部

 がん患者さんと医師のよりよいコミュニケーションを支援するための患者支援プロジェクトが開始されます。

他の治療選択も知りたい患者が7割強、選択肢を提示する医師は4割程度

 バリアンは5月8日に、がん患者さんと医療者がともに治療先端をする患者支援プロジェクト「シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)」を開始することを発表しました。

 SDMは、患者さん・家族と医療者がエビデンスに加えて、治療オプション、利益と害、患者さんの価値観や希望・状況を共有し、医療従事者と患者さん・家族が一緒に健康に関わる意思決定に参加するプロセスです。

 同社は2018年6月に行ったアンケート調査で、患者さんが自身のがん治療選択に関して主治医と充分なコミュニケーションが取れていない可能性が示唆されたことがきっかけで活動を開始したそうです。

 この調査は、回答者自身が特定のがんの診断を受け、診断時期を覚えている患者さんを対象に行われました。有効回答数は、1,032でした。患者さん自身が、がんについて複数の治療方法(医師が勧めるもの以外の治療法)を知りたいと思っていた割合は74%でしたが、実際に複数の治療法に関する説明を受けたと答えた患者さんは44%だったそうです。

 この調査の結果に関して、監修者である日本放射線腫瘍学会広報委員会委員長の中川恵一先生は「本調査では、がん患者さんが治療選択肢について出来るだけ多くの情報を得たいと思っていながら、医師から複数の選択肢が提示されている割合が低く留まる傾向が認められました。手術と放射線治療では、がんの種類によって推奨度が横並びのものや、治療成績に差が少ないものもありますが、実際の限られた診療時間の中ですべての治療選択肢を患者さんに説明するのは困難と言えます。日本のがん治療ではまず臓器別の専門医が治療の選択肢を提示することが圧倒的に多いため、腫瘍内科医や放射線治療医等にセカンドオピニオンを求めることで、治療選択や治療満足度が変わることもあり得ます」とコメントしています。